奈良県は、教育メタバース「FAMcampus」(提供元:富⼠ソフト)を活用した不登校支援事業の2年目の運用を開始している。本事業では、県内の不登校児童生徒に、学習・交流・相談が可能な安心できる居場所を提供し、子供たちの社会的自立を支援する。

文部科学省の調査によると、2024年度の全国の不登校小中学生は過去最多の35万3970人を記録し、奈良県内でも3593人にのぼっている。外出や対人関係に不安を抱える児童生徒への支援が急務となる中、県は2023年度からICTを活用した不登校支援を開始した。当初はテレビ会議システムを用いた支援を行っていたが、モニター越しではあるものの対面となるやり方は心理的安全性を得られにくく、心のエネルギーが低下した児童生徒にとってはつながりにくい課題があった。
そこで県は2025年度、アバターを通じて緩やかにつながれるメタバース空間「FAMcampus」を公設フリースクール「ならコネクト」内に導入。オンラインスクール「Cocoro キャンパス」として新たなアプローチを試みた。
メタバースの導入により、他の児童生徒の状況が視覚的に分かり、操作も容易なことから、参加者の心理的負担が軽減された。空間内では、講師や専門の支援員が児童生徒に寄り添い、各自のペースで参加できるライブ授業や個別対応など、個々のニーズに応じた柔軟な支援が可能となった。
この結果、児童生徒の参加率は顕著に向上し、安心できる居場所として定着した。さらに、学校や支援機関での対面支援につながるなどの好変化も生まれているという。県は2026年度も2027年3月まで同事業を継続し、児童生徒の社会的自立に向けたサポート体制を維持していく方針だ。