総務省は7月14日、利用者のICTリテラシーに関する認識や、偽・誤情報の拡散傾向を調べた「ICTリテラシー実態調査」の結果を公表した。調査では、ICTリテラシーの低さと偽情報の拡散行為との間に明確な相関関係があることが分かった。

調査の中で実施したICTリテラシーテスト(5問)において、全問正解した人はわずか5.6%にとどまる一方、全問不正解だった人は39.5%に上った。
特に偽・誤情報を拡散した経験がある人のうち、全問不正解だった人の割合は48.9%を占めた。これは、拡散経験がない人で全問不正解だった割合(24.7%)の約2倍であり、リテラシーの有無が偽情報の拡散行動に大きく影響している実態が示された。

一方で、自身のICTリテラシーについて「平均的、または平均より高い」と自己評価した人は83.0%に達した。ICTリテラシーの自己認識が平均以上の人の割合は、若年層ほど高い傾向にあり、年代別では10代が最も高かった。

人工知能(AI)技術を用いた合成画像や動画などの「ディープフェイク」について、「自分は見破ることができる」と答えた人ほどリテラシーテストでの全問不正解率が高く、61.5%に達していた。

SNSなどで情報を拡散する前に「立ち止まって考えると思う」と答えた人は79.2%を占めた。

また、人が無意識に陥る思考の偏りである「認知バイアス」について、「知識として知っている」と答えた人の割合は拡散経験がある人の方が高かった。しかし、「自分にも認知バイアスがあるという実感を持っている」人の割合は、拡散経験がない人の方が高かった。この結果から、単に言葉や知識として知るだけでなく、自身にも起こり得る「我が事」として理解・自覚することが、慎重な情報判断や偽情報の拡散抑制につながる可能性が示唆された。

総務省は今回の結果を踏まえ、2025年1月に発足した官民連携プロジェクト「DIGITAL POSITIVE ACTION」などを通じ、認知バイアスに着目した啓発活動やICTリテラシー向上に向けた取組を引き続き推進していく方針だ。
<調査概要>
調査手法:インターネット調査
実施時期:2026年5月8日~5月13日
調査対象者:全国の15歳以上の男女
回答数 5,640人