ナインバードは、熱中症発症時の応急処置と重症化リスク判定を一体化した「初動救護パッケージ」の販売を開始した。2025年6月の改正労働安全衛生規則の施行により学校や職場での熱中症対策の義務化が強化されるなか、予防策に留まらない発症後の初動体制の整備が求められている。

パッケージは、身体を水に浸して冷却・搬送する「熱中症救護袋(NB-001)」と、尿中バイオマーカー測定キット「熱中症リスクPro(NB-200)」(開発・製造元はタイムウェルメディカル)で構成される。救命において重要とされる救急車到着前の空白時間に対応する。
救急車の到着を待つ間に救護袋を用いて罹患者の身体を冷却し、症状が落ち着いた段階で尿を採取する。特別な機器は不要で、約15分で腎臓への負担を示すサインの有無を確認できる。外見や本人の訴えだけでは判断が難しいとされる「見えない重症化」の兆候を現場で把握することが目的だ。
消防庁の発表によると、2025年5月から9月の熱中症による救急搬送人員は10万510人に達し、過去最多を記録した。学校現場におけるスポーツ活動や部活動、屋外行事での発症に備え、迅速な初動救護だけでなく、測定結果を客観的な指標として救急隊に引き継ぐことで、より円滑な医療連携が期待される。
希望小売価格は救護袋が5万5000円、測定キットが1箱10個入りで3万2780円。同社は今後、教育機関や自治体の防災計画への導入推進を目指すとしている。