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教育ICT

【討議】個別最適な学びも働き方改革もMDMで効率的に運用・実現する

2021年6月29日

1人1台端末活用のために、運用・管理しやすい仕組みが求められている。5月に第2回改訂版が公開された「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」でも、端末を運用・管理する仕組みの導入を求めている。端末管理システム「CLOMO MDM」を導入・活用している善通寺市教育委員会の宮地雄貴主事と桐蔭学園情報センターの山口大輔氏、同製品を提供しているアイキューブドシステムズの大野泰弘氏が、運用管理について討議した。

よく使う「ロック機能」「データ消去機能」
サウンド再生で、紛失端末を探す

――MDM管理で何を行っているか
山口氏

桐蔭学園情報センター 山口大輔氏

■山口 桐蔭学園中等教育学校・中学校では6年間にわたり生徒全員にiPadを貸与して活用を進めている。

MDMではアプリ配信や制限等、様々なことが可能だが、この6年で最も多く活用したのが「ロック機能」「データ消去機能」「位置情報機能」だ。

CLOMO MDMでは端末をロックすると、電源が入っていてオンラインの場合、紛失デバイスの位置情報を取得できる。さらにサウンドを再生すると、「校内のどこに置いたのかわからない」場合、音が鳴るので、教室内にあるのかないのかがわかる。

また、クラスごとに、どのアクセスポイント(以下、AP)に接続するのかについてもMDMで管理している。
遠隔でできるので、担当1人でも対応できる。

宮地氏

善通寺市教育委員会 主事 宮地雄貴氏

■宮地 善通寺市教育委員会(小学校8校・中学校2校)では2021年1月、iPad2331台(全児童生徒及び一部教員用)の配備を完了。教員が管理しやすい仕組みが必要であると考え、CLOMO MDMを導入した。

MDMにより、バックアップやアプリ購入の禁止など、教育委員会が基本の設定を各端末に配布している。

各校では、接続するSSIDごとにグループ分けをしてIPアドレスを管理。グループに端末を紐づけると、自動的にMDMの設定が適用されるようにしており、それぞれの端末ごとに設定をしなくてすむようになった。

MDMで管理することで、個別端末の通信状況やOSのアップデート状況を把握できるので、学校からの問い合わせに対応しやすくなった。

「NOT検索」「詳細検索」で定期チェック
iPadのOS更新は年1回に

――MDM管理の工夫について

■山口 MDMの検索機能がとても便利。

本校では、OSの更新は年1回として一斉に更新しており、アプリの更新はアップデートにより不具合が出ないかどうかを検証してから行っているが、勝手に更新していたり、あるいはしていなかったりする端末もある。そこでOSやアプリの最新バージョンを指定して検索し、アップデートができているか否か、勝手にアップデートしていないか等の端末を探すことができ、その持ち主も確認できる。

「NOT検索」もよく使う。現在統一しているバージョン「以外のもの」を検索することで、必要な更新を行っていない端末を探すことができ、管理がとても楽になる。

■宮地 緊急時のため、紛失モードも設定している。紛失モードにすると、位置情報を取得でき、端末操作を不可にできる。

また、各校独自で特定の端末にアプリを配信したり削除したりについては、タグ管理で行うこととしている。

設定変更は教育委員会のみが行うこととし、各校独自で行いたいアプリ配信等は、グループ下でタグ機能によりできるようにした。

全校導入したばかりだが、既に各校で活用が始まっている。

大野氏

アイキューブドシステムズ 大野泰弘氏

■大野 アプリやOSの管理は、学校では必須要件。CLOMO MDMでは、詳細検索やNOT検索を利用し、未対応の端末に対するスムーズなバージョンアップが可能。紛失モードも、現在は多くの学校で運用されており、有事の際の対策として好評を得ている。

――端末の故障や破損について

■山口 本体が反る、画面が割れるなど端末の破損も意外に多い。そこで本校では、ケース装着を義務付けており、装着しているかどうかを年1回、点検している。液晶保護フィルムは、ガラスフィルムを推奨。さらに、年1回、全台回収して点検。OS更新もその際に行う。

当初、動産保険で対応していたが、補償を超える破損もあったため、保険の内容を見直し、落下など様々な破損に対応できる補償内容を保険に含めた。

■宮地 本市で端末破損事故の理由の最も多かったものが、バッテリーの不具合だ。そこで過充電によるトラブルが原因であると考え、輪番充電できる充電保管庫で充電時間をスケジュール化し、充電し続けている状態が継続しないようにしている。今後は故障端末が減るのではないかと考えている。

■山口 本校では自宅に持ち帰って充電しており、教員も生徒も、20%未満になるまで充電しないことをルール化した。モバイルバッテリーも不可とし、Apple純正のACアダプタとケーブルのみを組み合わせて充電することで、端末寿命の長寿化を図っている。

個別最適な学びにMDMを活用
教委管理・学校管理を使い分ける

――途切れないネットワーク構築のポイントは

■山口 同時接続数200台の新しいAPに更新中だ。基幹のルーターやスイッチングハブはセッション数を上げることで通信の安定を図る。

■宮地 端末がつながらない、という報告があった際に調べてみると、OSの更新時期と重複していた。そこで現在は、各校に1台配備した端末(Mac)にキャッシュサーバを設定している。また、校務系は集約型、学習系はインターネットブレイクアウトとして分散することで対応している。

安定したネットワーク構築のため、これまでの集約型接続を変更。教育系ネットワークについては学校から直接インターネット接続する構成とし、キャッシュサーバを設置してネットワーク負荷を軽減している。

今のところ問題なく接続できているようだ。

――個別最適な学びにMDMはどのように寄与するか

■山口 MDMの機能により、ある生徒、あるグループに個別に提供したいAppや制限設定をMDMで配信するなど、その子に合わせた学習内容を提供できる。

グループごとに一斉配信することもできる。

■宮地 各校で試験的な取組が始まったばかりだが、タグ管理により、教育委員会による一括管理と各校独自でできる管理を両立している。今後は積極的に発信してMDMを利用した学びや管理を浸透させていきたいと考えている。

■大野 MDMベンダーとして今後も学校現場に合わせた改良を重ね、サポートを強化していくことで現場のお困りごとを解決し、最適な教育環境や教員の働き方改革の一助となればと考えている。まずは、気軽に相談して頂きたい。

 

福島市教育委員会・鳥取県教育委員会などの事例はこちら

CLOMOの使い方

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2021年7月5日号掲載

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