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教育ICT

大規模都市ならではの課題を解決する 900人以上の学校は4回線に<福岡市教育委員会教育ICT推進課課長 永田朗氏>

2022年5月6日
第85回教育委員会対象セミナー・福岡

GIGAスクール構想に伴う1人1台の端末環境の活用をテーマに「第88回教育委員会対象セミナー」を4月2日に広島で、「第85回教育委員会対象セミナー」を3月29日に福岡で開催した。いくつかの講演内容を紹介する。なお肩書きは3月末時点。


福岡市教育委員会教育ICT推進課課長 永田朗氏

福岡市教育委員会教育ICT推進課課長 永田朗氏

人口増加数・率ともに政令指定都市でトップ(21回国勢調査)の福岡市。大規模都市ならではの課題をどう解決して活用につなげたのか。永田朗氏が報告した。

NWの課題を解決

GIGAスクール構想により小中学校にChromebook、高等学校と特別支援学校にはiPadを配備。児童生徒数が12万人以上であることから、故障・修理は保守契約ではなく都度対応とした。現状、月200件ほど故障等があるが、都度対応の方がコストは低い。

ネットワークは1Gのベストエフォート契約で、ローカルブレイクアウト構成。しかし大規模校や活用度が高い学校ではつながりにくかった。そこでネットワーク構築に関わるすべての業者で協議。実際に学校で接続テストを行い検証した。主な原因はルータの性能と回線の容量不足にあり、高性能ルータに変更するとともに学校の児童生徒数に応じて回線数を300人以上の学校は2回線、600人以上の学校は3回線、900人以上の学校は4回線に増設した。いじめについて考える「いじめゼロサミット」では、7万人が同時にGoogleFormで回答したが問題なくつながり、全員参加のサミットが実現した。

■定期的に調査

福岡市では全学年全教科全単元の動画を約2098本配信しており、モデル授業動画も配信。1か月の再生回数は11万以上である。各学校にはGIGA端末活用に関するリーダーを2人設置しており、スキルアップ講座や実践交流、自主研修が進んでいる。

端末の活用状況調査を定期的に実施。20217月時点では、児童生徒用端末はドリル中心に利用される傾向にあった。これが12月になると児童生徒用端末で「意見交換を行っている」「考えをまとめる力がついた」等が4割を超え「協働的な学びに効果がある」という声も届くようになった。調査結果は、学校ごとにまとめて返却すると共に活用事例を共有。この活用事例を教員は楽しみにしており定期的に配信している。あまり活用が進んでいない学校には、教育センターが研修を行う、管理職に活用状況の促進を依頼する等、学校毎に対応している。

■端末の持ち帰り

オンライン授業対応のためなど児童生徒用端末は毎日持ち帰ることを学校に依頼。202112月時点で、中学生は7割、小学校6年生は5割弱が週に4回以上持ち帰りを行っていた。活用は、家庭学習や調べ学習、ドリルや教科の課題、日々の連絡など様々だ。YouTubeも視聴できるが、23時から朝6時まではログインできない設定とした。課題は、毎日の持ち帰りで「何をさせるのか」について悩んでいる学校があること。課題の出し方についても検討が必要だ。

端末の重量も課題だ。現在の端末は約14キログラムあり、小学生には重たい。次の入れ替え時は軽量タイプも検討した方が良いのではないかと考えている。

現在クラウド型フィルタリングを導入しており、自宅でも学校でも同じ設定だが、有用なサイトに接続できない場合や有害サイトにアクセスできてしまうケースもあり、職員が個別に対応している。今後は、国の実証事業に加え福岡市で独自に配備した学習者用デジタル教科書をさらに活用すると共に、教育データの効果的な活用に取り組む。【講師】福岡市教育委員会教育ICT推進課課長・永田朗氏

【第85回教育委員会対象セミナー・福岡:2022年3月29日】

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年5月2日号掲載

 

  1. 奈良教育大学教職大学院准教授 小崎誠二氏
  2. 熊本市教育委員会 主任指導主事 前田康裕氏
  3. 東北大学大学院教授 堀田龍也氏
  4. 福岡市教育委員会教育ICT推進課課長 永田朗氏
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