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教育ICT

1人1台端末+クラウドの日常的活用 授業中のチャットも解禁<春日井市立高森台中学校校長 水谷年孝氏>

2022年8月2日
第89回教育委員会対象セミナー・東京

教育委員会対象セミナーを7月12日、東京都内で開催。教育委員会と教員約100名が参集した。当日の講演内容を紹介する。


春日井市立
高森台中学校
水谷年孝校長

校務の情報化など教職員の業務改善から全国に先駆けてクラウド活用に取り組んだ春日井市(小学校38校・中学校16)。高森台中学校では既にどの教科、どの教員も端末を使った学びを展開しているという。同校の水谷年孝校長が報告した。

……・……・……

■毎日のように協働的探究的な学び

以前であれば学期に1回できれば良いような学習を毎日のように行っている。

社会科では、協働的・探究的な学びを中心に据えて取り組んでいる。3年世界史では「第二次世界大戦を引き起こした1番の原因」を課題として教員がGoogleClassroomに提示した課題と情報を確認することから学びがスタート。生徒は教科書を読解しながらjamboard等で整理・分析し、仮説を複数立てて吟味。対話を通して思考の質を上げていく。個人の考えはjamboardに整理してそれを共有するので対話もはずむ。教員は皆の活動の進捗を確認しながら必要な情報をGoogleClassroom上に提供していた。課題に合わせて討議が終わるとすぐにスプレッドシートに自分の考えを入力。同時に他の生徒の意見もチェックし、自らの気付きを深めようとしている。生徒自ら、学習過程を意識して進行できるようになった。

2年地理的分野では「なぜ日本は和食の食材が豊富なのか、自然環境の面から考える」課題を設定。1~4時は必要な情報を蓄積、5~7時で対話を通して意見を構築し、最後にレポートを作成。

このような学びになった最初のきっかけは、長期にわたる休校であった。学習プリントを前に、自ら学びを進めることができない生徒の多さに教員は愕然とし、自ら学びを進めるためにどうすれば良いのかを考え、新しいツールの利活用と試行錯誤が始まった。

さらに、最近始まったのが360度カメラの活用だ。教員は授業後、録画データの必要な部分をいろいろな角度から見て自分の授業を振り返り、改善点を探っている。

授業中のチャットも解禁。ちょっとした気づきや疑問をチャット上に投稿することで、互いの仮説づくりや考えの深化に役立っている。チャットやメールは、トラブルの可能性もあるが、それ以上の学習効果があると感じている。

今のところ、全体的にバランスの取れた活動となっているが、このような探究的な活動をすべての教科で毎時間行うことになると、現状の時間割のままでは対応は難しくなり、何等かの変革が求められるようになるだろう。

■数学や理科、体育もクラウド活用が前提に

教員が教えなくても自ら学びを進められる生徒、という目標が明確であれば、探究的な学びは難しいと思われている教科の取組も変わる。

数学の授業では、Google Classroom上に問題を2種類掲載。生徒は担当を決めてjamboard上に書き込みながら取り組む。解き方に迷ったときは友達の書き込みを見る。教員もboard上にヒントを書き込んでいる。担当していない問題についても友達の書き込みから学ぶことができる。振り返りシートには、自分の目標や自己評価を記入。教員はその自己評価に対するアドバイスを書き込む。どの問題を解いているのか、必要な課題に取り組んでいるのかが分かるようにGoogleフォームで振り返りアンケートを選択式で実施。このデータは教員だけではなく生徒たちも見えるようにしている。

理科や体育でも実施計画や振り返りをクラウド上に入力しており、体育では動画付きレポートを提出している。体育係は、練習に役立つ動画を探して掲載するという役割を担うようになった。

生徒も「これまではノートを取ることが学習だった。今は自分で考えて学び合うことができ、より効率的に進めることができる」「以前は先生や教科書から学ぶだけだった。今は自分で情報を得て考えることができるようになった」とメタ認知できるようになった。

■学級活動もクラウド活用

このような学びを教科でしていると、その力を日常的に発揮できるようになる。

学級活動では、学級委員が学年便りを作成するようになり、それをクラウドに上げるようになった。コロナ禍の部活動紹介も動画を制作、GoogleClassroomに掲載していた。

校則の改正のため、生徒会でルールメーキングプロジェクトを実施。春日井市では2023年度より、ブレザータイプの新しい制服が追加される(これまでの詰襟、セーラー服も選択可)。それに伴い、中に着用するもののルールを学校で決める際にこの力が発揮されていた。

■推進力の要因は人間関係にある

本校でGIGA環境の活用が進んだ最も大きな理由は、人間関係づくりにあると感じている。

過去、本市では校務の情報化やわかりやすい授業のためのICT活用に積極的に取り組んでおり、ICT活用のための操作研修はほぼ行っておらず、模擬授業を行って共有してきた。新しいものに積極的にチャレンジかつスクラップ&ビルドしていく土壌がGIGA環境の推進力になった。

今年度の第48回全日本教育工学研究協議会全国大会(JAET大会・102829)では春日井市内6校が授業を公開する。当初はクラウド活用に苦手意識を持っていた教員も自ら学び合う学習集団づくりに一丸となって取り組んでいる。申込は81日から始まる。

【第89回教育委員会対象セミナー・東京:2022年7月12日】

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年8月1日号掲載

 

  1. 東京都教育庁 主任指導主事 江川徹氏
  2. 鎌倉市教育委員会 教育指導課 指導主事 濱地優氏
  3. 豊田市教育委員会 学校教育課 教育センター所長 緒方秀充氏
  4. 杉並区立天沼小学校 教諭 澤祐一郎氏
  5. 春日井市立高森台中学校 校長 水谷年孝氏

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最新号見本2022年08月12日更新
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