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【編集者に聞く】『まんが地域学習シリーズ  守ろう!みんなの東北』全4巻~パラレルワールドを冒険し地域の課題解決に向き合う

2022年6月20日

社会全体を考えるきっかけに

岡野信彦氏

岡野信彦氏

『まんが地域学習シリーズ 守ろう!みんなの東北』(全4巻)は、読者と等身大

の登場人物たちが妖怪たちのいる‘もう一つの東北’を冒険しながら、地域の課題を学び、さらに課題解決に向きあえる点が大きな魅力だ。刊行のきっかけとねらいについて、刊行したマイクロマガジン社の岡野信彦氏に聞いた。

一般書で反響が大きい「東北」をテーマに企画

守ろう!みんなの東北④

今年6月に刊行された『④東北の未来編』

岩手県遠野市に暮らす小学6年生の石澤研治(ケンジ)は、ある日大きな地震によって、人間の世界と隣接している「もう一つの東北」に迷い込んでしまう。そこは、人間ではなく妖怪が跋扈する世界。妖怪たちはケンジに「なぜ東北の山を破壊する?」「数多の生き物がすむこの世界をなぜこわす?」と詰め寄るのだった

『まんが地域学習シリーズ 守ろう!みんなの東北』は、『自然と伝統文化編』『復興と気候編』『人口減少とお祭り編』、そして今年6月刊行の『東北の未来編』で完結となる全4巻。まんがの世界観を楽しみながら青森・秋田・岩手・山形・宮城・福島の東北6県について学べるシリーズだ。

刊行開始当初の2021年は、東日本大震災から10年として注目を集めた年でもあった。しかし「本シリーズの刊行はそれがきっかけではない」と話すのは、マイクロマガジン社・第一編集部の岡野信彦氏。同社では2007年に一般書『地域批評シリーズ』を創刊し、日本各地の本質や問題点を探る書籍を刊行してきた。取材を通して「日本の将来を担う子供たちにも地域の課題を深く知ってもらうべき」と考えたという。

そこで子供向けに、少し難解でもある地域問題を分かりやすく学習まんがで解説する『まんが地域学習シリーズ』が誕生した。第一弾で「東北」をテーマにしたのは、東日本大震災から10年ということはもとより、『地域批評シリーズ』の中でも、東北が最も反響が大きかったから。「東北の人は大人も子供も地元愛がとても深い、ということを強く感じていた」(岡野氏)

青木健生/原作 藤原ちづる/漫画
(公財)東北活性化研究センター/監修
各112頁 A5判 オールカラー 各1100円

「もんのけ」の問いに子供たちが向き合う

『まんが地域学習シリーズ 守ろう!みんなの東北』では、現実の東北とパラレルワールドで存在するもう一つの東北に迷い込んだ小学生たちが、冒険の最中に、妖怪・モンスターである「もんのけ」(人間社会の『問題』がかたちになったもの)から現実の東北の地域問題を聞き、子供ならではの発想でその解決法を考えるという、ファンタジー要素が溢れるストーリー展開となっている。ケンジをはじめとする登場人物は、東北各県出身の、いずれも小学6年生。読者である子供たちと等身大の登場人物たちも、それぞれ個性的だ。

『①自然と伝統文化編』で登場するもんのけ「こけし」は、ケンジたちに「なぜ人間は昔ほどこけしを買わないのか」「買わないから作らないのか」と問いかけ、伝統工芸品は作られなければ『工人』が減り、技術もなくなるという危機感を訴える。工芸品は‘おみやげ’になるためでなく、‘使う’ために生まれたのだから、もっと『使う』ものとしての魅力を発信する必要がある、というこけしの言葉に、ケンジたちは自分たちにできることを考えていく。「ネットを使えば東北にいながら世界中に発信できる」「工芸品の伝統を生かしながら、使われるために『進化』してもいい」。初めは険しい表情だったこけしは、子供たちのアイデアを聞き、笑顔を取り戻していく。解説記事として、東北の伝統的工芸品や、伝統工芸文化が衰退する理由などを取り上げる。

「もんのけ」たちは、天狗や座敷わらしなどの妖怪の姿や、サメ(フカヒレ)、ナマハゲ、冬将軍、ねぷたといった東北ならではの姿をしており、シリーズ全体で東北の自然や環境、伝統工芸品や祭りなど伝統文化の大切さ、鉄道、豪雪地帯の現状、東日本大震災からの復興などのテーマを網羅する。さらに課題解決を考えるヒントとなるコラムや豆知識も充実。「再生可能エネルギーと環境問題」(①)、「ネットリテラシー自己診断テスト」(②)「コンパクトシティとスマートシティ」(③)、「地域探究学習は楽しい!(④)など、東北地方に限らず現代的なトピックスを掲載した。

地域問題を分かりやすく 冒険ファンタジーの工夫

本書をまんがとして作成する上で、最も難しかたのは「「まんが的なストーリーの中に、地域問題をどう分かりやすく落とし込んでいくかということ」だったという岡野氏。そこで設定を大胆に工夫し、パラレルワールドでもんのけに出会うという、冒険ファンタジーとしての楽しさを生み出した。読者の子供たちも、ケンジたちと一緒に「ふるさとのために自分たちは何ができるのか」を考えて欲しい、そんな願いが込められている。「地元を基準として他の地域を見てみると、さまざまな違いに気付くはず」と岡野氏。段階を追って領域を広げていくと、日本全体の課題も見えてくる。さらに海外との違いにも目を向けることにつながる。「本書が社会全体を考えるきっかけになれば嬉しい」。

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2022年6月20日号掲載

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