スティーナ・ヴィルセン/作・絵
きただいえりこ/訳
子どもの未来社
A5判横上製 33頁
1870円
小さなリトルは、大きいふたり、ドコカとダレカと暮らしている。でもふたりはたびたび大ゲンカし、リトルも怒鳴られたり放っておかれたり。ある日、リトルは勇気を出して保育園の先生につらい現状と気持ちを伝えてみる。話したことで、今ではリトルを理解し、見守ってくれる大人がたくさんいる。
つらい気持ちをかかえる子供たちを勇気づけ、信頼できる大人に気持ちを話すきっかけとなる物語。リトルやドコカとダレカ、先生や大人たちは、ジェンダーをはっきりと描かず、先入観なく読むことができる。
スウェーデンの絵本。物語の最後では「つらい きもちを つたえたら、きっと たすけてくれる おとながいます。だって、こどもは だれでも おとなに だいじに されるもの なんですから。」と語りかけ、手にとりやすいサイズや優しい絵の雰囲気とともに、子供たちに寄り添う。
巻末に小児科医で日本子ども虐待防止学会常務理事の木下あゆみ氏による子供へのメッセージと大人への解説文を掲載している。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年9月15日号掲載