ケイスリーは行動科学とSMS(ショートメッセージサービス)を活用した公的通知サービス「BetterMe」を、新たに子育て支援分野で提供を開始した。最初の取組として、乳幼児健診の受診率を向上させる実証事業の2021年度内実施に向け、自治体との検討を進める。
■行動科学、デジタル・アナリティクス、SMSの組み合わせで公的通知を実現
「BetterMe」とは、より良い公共施策を実現するために生み出されたGovTechプロダクト。行動科学、デジタル・アナリティクス、SMS(ショートメッセージサービス)の3つを組み合わせることで、行政DXを推進し、市民の行動変容につながる公的通知を実現する。
■「BetterMe」で子育て支援事業へのサービス提供を開始
近年、行政や地域社会も一体となり、子供の福祉実現に寄与する必要性が高まっている。そうした社会動向も踏まえ、ケイスリーは2020年から子育て支援における「BetterMe」の活用について複数の自治体と協議。その結果、各自治体が推進する子育て支援事業へのサービス提供を開始することになった。
■「BetterMe」を用いて幼児健診の利便性向上をめざす
2020年6月に厚生労働省がコロナ禍における全国的な健診控えや予防接種控えへの対応を自治体に要請した背景も踏まえ、最初の取組として、「BetterMe」を用いた乳幼児健診の利便性向上をめざす事業の年度内実施に向け、自治体との検討を進めていく。
■親の不安や行動阻害要因を払拭して健診受診を促す
現在検討中の「BetterMe」を用いた事業では、親が子の健康を守るための機会を逃さないよう、行動科学の知見を活用した情報発信によって乳幼児健診対象となる子供の親の不安や行動阻害要因を払拭し、健診受診を促す。今後は、子育て支援分野の以下のような場面で、活用を広げていく予定。
<子育て支援分野での活用シーン>
・乳幼児健診の案内、通知、予約確認
・定期予防接種・行政措置予防接種の案内、通知、予約確認
・各種相談・支援制度(妊婦・子どもの健康、ひとり親家庭、小中高校生の教育・
生活等)の案内、通知、予約確認他
<サービスの流れ>
①、ケイスリーがクライアントの要望に応じて課題の抽出~行動科学(ナッジ)を活用
した事業計画を設計、 SMSを提供
②、①で設計した事業計画に基づいて、自治体が市民へ情報提供等を実施
③、ケイスリーが市民の反応率や属性情報等を分析
④、③の分析結果を即時に施策の改善に活用
⑤、②~④のプロセスを複数回行うことで効果の高い課題解決手法を導き出し、
成果を向上させる
<ケイスリー取締役CFO兼GovTech事業責任者 森山健氏 コメント>
BetterMeはこれまで、浦添市の大腸がん検診受診勧奨事業をはじめ、主にヘルスケア領域で活用されてきましたが、BetterMeのコアである行動科学やデジタル・アナリティクスの知見は、非常に広い分野で応用が可能です。今後、乳幼児を対象とした予防接種や健康診査での活用を皮切りに、児童手当の普及や学習支援での活用など適用の幅を拡大していくことで、少しでも子育てが楽になる環境づくりに貢献していきたいと考えています。