メルカリ代表取締役CEOの山田進太郎氏は、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に向けて「山田進太郎D&I財団」を7月1日(木)に設立。その第1弾として理系女性向けの奨学金プログラムを実施する。
■自身の能力を最大限に発揮できる社会の実現に向けて
山田進太郎氏は、これまで企業活動を通じてD&Iの推進に取り組んできたが、中長期な取組で営利企業では難しいことも多くあると感じ、一般財団法人を設立した。ジェンダー・人種・年齢・宗教などに関わらず誰もが自身の能力を最大限に発揮できる社会の実現を目指す。今後、総額30億円を財団に寄贈し、D&I推進のための取組を行っていく。
■理系に進学する女性の少なさに着目
最初の取組として、理系職種が男性に偏り、国内の女性エンジニア比率は20%に留まるなどジェンダーバランスが崩れているという課題に注目。この背景には、日本の大学における理工学系女性比率が18.15%とOECDの中でも最も低いことがあげられる。また、中学生時点では理系科目の成績の男女差はないにも関わらず、進学時に文系を選択する女子学生が多くなっている。
■大学における理工学部系の女性比率を2035年までに28%に
こうした状況をふまえ、山田進太郎D&I財団では中長期的な課題解決として、中高生教育の時点で理系を選ぶ女子学生の増加に取り組む。目標として、大学における理工学部系の女性比率を2035年までに28%まで伸ばすことを目指す。
■「高校入学時点で理系を目指す女性」100名に対して奨学金を支給
第1弾として「高校入学時点で理系を目指す女性」100名に対して奨学金を支給するプログラムを開始。これにより理系職種に興味があるにも関わらず、周囲の環境からイメージが付かなかったり、金銭的な問題で諦めてしまっている女子学生が自身の可能性を広げるために理系を選ぶことを後押しする。
■抽選制で支給者を決定
また、より多くの人が興味を持ち、気軽に応募できるよう、能力主義ではなく抽選制で支給者を決定。応募のハードルを下げるため面接も行わない。本奨学金プログラムでは、応募・選考・支給などのプロセスを極力オンライン化することで効率化を実現。将来的には常時1,000名以上への支給を目指す。
■理系に興味のある女子中学生に向けてオンラインイベントを開催
また、理系に興味のある女子中学生を対象に、理系職で活躍する女性研究者や起業家が登壇するオンラインイベントを8月22日(日)に開催する。
<奨学金募集概要>
募集期間:2021年8月4日(水)~9月30日(木)
対象:2022年4月に高校入学予定の女性
対象高校:日本国内の高等学校理数科、令和3年度スーパーサイエンスハイスクール
指定高等学校、または高等専門学校を受験し入学予定(中学校からの内部進学者を除く)
支給金額:国公立学校25万円(年額)、私立学校50万円(年額)
支給方法と時期:2022年5月頃、指定の口座への振り込みを予定。最大、高校在学中の
3年間、高専在学中の5年間の支給(ただし継続審査を実施)。
採用人数:最大100名程度
応募方法:以下のWebのエントリーフォームから応募
<オンラインイベント概要>
タイトル:活躍中の先輩が語るSTEM(理系)の面白さ
日時:2021年8月22日(日)17:00〜18:00(オンライン)
対象:理系に興味のある女子中学生
参加料:無料
内容:
第1部 理系職先輩のパネルディスカッション&QA
登壇者
スプツニ子!さん(アーティスト/東京藝術大学デザイン科准教授)
高橋祥子さん(ジーンクエスト代表取締役社長/ユーグレナ執行役員、
農学博士【生命科学分野】)
大隅典子さん(東北大学副学長・附属図書館長・大学院医学系研究科教授)
第2部 奨学金の概要
第3部 事務局Q&A
申し込み:以下のWebから申し込む
山田進太郎D&I財団