文部科学省は、初等中等教育段階の教育政策の改革方針を示すものとして「教育進化のための改革ビジョン」を公表した。「令和の日本型学校教育」の具体的な進め方として2つの基本理念と4つの柱が示された。
■新型コロナウイルス感染症を契機として
現在、1人1台端末の実現や小学校35人学級の計画的整備、教員免許制度の見直しなどが進められているが、新型コロナウイルス感染症を契機としてデジタル化が急速に進む中、初等中等教育段階の教育政策について「令和の日本型学校教育」の具体的な進め方など、教育進化のための改革方針が示された。
■誰一人取り残さない教育と教職員が集中できる環境
2つの基本理念は「誰一人取り残さず個々の可能性を最大限に引き出す教育」「教職員が安心して本務に集中できる環境」となる。
■教育深化に向けて4つの柱を示す
4つの柱として示されたのは以下の4点。①「リアル」×「デジタル」の最適な組合せによる価値創造的な学びの推進、②これまでの学校では十分な教育や支援が行き届かない子供への教育機会の保障、③地域の絆を深め共生社会を実現するための学校・家庭・地域の連携強化、④教職員が安心して本務に集中できる環境整備。
■今後の施策展開の方向性
個々に最適な学びを提供するとともに、地域や企業とも連携し、学校内外での豊かな体験機会を確保するため、以下の6点の施策に重点を置いて検討を進める。
・個別最適な学びと協働的な学びの日常化
・特別な指導や支援が必要な子供への学びの場の提供
・全ての生徒の能力を伸長する高校教育の提供
・質の高い教職員集団の形成
・地域や企業の力を巻き込んだ学校運営や「リアルな体験」機会の充実
・教員研修の高度化、働き方改革の実効性を高める観点からの環境整備
■経済界との直接対話や学校DX推進本部の設置で施策を推進
このうち、地域や企業の力を巻き込んだ学校運営や「リアルな体験」機会の充実については経済界との直接対話により強力に推進する。また、教員研修の高度化、働き方改革の実効性を高める観点からの環境整備については、学校DX推進本部を設置し強力に推進する。
