文部科学省の情報・技術ワーキンググループ(WG)は、次期学習指導要領改訂に向け、情報活用能力の抜本的強化と、情報教育の体系的再構築を柱とする「取りまとめ(案)<会議後修正>」を示した。AI・データ活用が社会基盤となる2040年代を見据え、小・中・高を通じて、情報活用能力の育成を「学習の基盤」として位置付ける。
すべての子供たちに一定程度以上の情報活用能力を確実に育成することが目的。 教科横断的な学びを支えるため、総則との整合性を図るとともに、情報教育が単発で終わらないように体系化を図っている。
情報活用能力を、情報技術の「活用」「適切な取扱い」「特性の理解」の3要素で整理。
小・中・高を通じて段階的に育成する資質・能力を体系的・系統的に示した。▼活用=情報を収集・分析し、課題解決に生かす力 ▼適切な取扱い=メディアリテラシー、情報モラル、リスク判断など ▼特性の理解=AI、アルゴリズム、ネットワーク、データ構造など科学的理解
会議後修正では、特に「情報の真偽や偏りを吟味し、意見形成や判断を行う力」の重要性を強調。民主主義社会の基盤としての情報教育の役割を明らかにした。

情報技術の「活用」「適切な取扱い」「特性の理解」について小・中・高に位置付け(WG資料より)
小学校では、総合的な学習の時間に「情報の領域」を新設。探究のプロセスの中で情報技術を活用する学びを位置付ける。単なる機器操作にとどまることなく「情報の扱い方を理解し、適切に活用する学び」を重視する方向性が明記された。
中学校では、現行の技術・家庭科の枠組みを再編。情報技術と生産技術を統合した新教科「情報・技術科」を設置する。扱う内容は次。▼情報の表現とデジタル化 ▼プログラミングと自動化 ▼情報基盤とシステム化 ▼材料加工・生物育成・エネルギー変換のデジタル化
情報技術と生産技術の関連性をより明確に示し、「社会の仕組みを理解し、技術を適切に活用する力」を育成することが強調されている。
高等学校では、情報Ⅰを基礎とし、情報ⅡではAI・データサイエンス・システム開発・PBLを強化。大学の「数理・データサイエンス・AI教育」との接続をより明確化し、高校卒業段階で全員がリテラシーレベルを身につけることとする。
SNSや生成AIの急速な普及を踏まえ、「禁止・注意」中心の情報モラル教育から脱却。情報の真偽の吟味や偏りの理解、意見形成のプロセス、公共的な情報発信などを扱う「思考を伴う情報リテラシー教育」への転換を図る。特に「AI時代のリスク判断」を新たな重点項目として位置付けた。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2026年8月24日号掲載