宮崎県都農町は(一財)つの未来まちづくり推進機構とイツノマが都農町議会の協力のもと「ゼロカーボンU-18議会」を創設。小・中学生選抜チーム「Green Hope」が町に対して都農町のゼロカーボン施策について提言を行った。今後、2050年に向けて毎年2回、小・中学生の選抜チームを組成し、町に対してゼロカーボン施策を提言していく。
■都農中学校で、まちづくり教育「つの未来学」を開講
都農中学校では、2021年度から総合的な学習の時間に、つの未来財団からの委託を受けてイツノマが、まちづくり教育「つの未来学」を開講している。2年生は「気候変動対策」をテーマに300個の課題解決アイデアを出し、9個のプロジェクトに絞り込み、企画書を作成、提案した。
（左）提案された300個のアイデア （右）提案する中学生たちの様子
■中学生の活動を受けて町が「ゼロカーボンタウン宣言」を表明
こうした中学生たちの課題意識の高まりや「気候変動対策」をテーマにした300個のアイデアを受け、町として2050年に温室効果ガスの排出実質ゼロを目指す「ゼロカーボンタウン宣言」を表明した。
■小中学生が町政に関わり続ける
都農町が「ゼロカーボンタウン宣言」を表明した最大の理由は、2050年の主役になる小・中学生がまちづくりの当事者として町政に関わり続け、それをもって人材育成につなげていくことにある。
■9人の小中学生が具体的な施策を議論
つの未来財団が設立したキャリア教育支援センターの呼びかけで、各小中学校から計9人を選抜。町に提言する具体的な施策を議論する。その受け皿として「ゼロカーボンU-18議会」を創設。2050年まで恒常的な議論の場として機能させていくことが目指される。
■議論を重ねてチーム名を『Green Hope』と命名
選抜チームの9人は、第1回会議より自主的な議論を重ねリーダーを小学6年生の2人に専任。リーダーを中心に提言する施策のテーマと内容の議論を進めていきた。並行して、チームの名称を議論し、都農町の未来を緑で希望にという思いをこめて『Green Hope』と命名。ロゴデザインにも全員で関わった。
■アイデア出しから小中学生の主導で推進
『Green Hope』は2021年10月20日より、2022年3月9日まで全13回、合計30時間近い時間をかけてアイデア出し、課題の整理・分析、提案内容の決定、企画書と提案図面の作成を、小中学生の主導で進めてきた。
■「木と花を植える」をテーマに3つの観点から提言内容をまとめる
具体的な施策のテーマとして「ソーラー発電を増やす」「ペットボトルを減らす」などのアイデアの中から、楽しくできそうなどの理由から「木と花を植える」について、掘り下げていくことを決定。その後、「自分たちでできること」「自分たちと大人たちでやること」「町全体でやってほしいこと」の3つの観点から提言内容をまとめた。
■1人1台端末を使って企画書を作成
自分たちで議論してきた内容を、第三者に伝えることを目的にパワーポイントで資料を作成。1人1台のタブレット端末が配布されている強みを活かして、中学生を中心に小学生と一緒に企画書を作成した。
＜ゼロカーボンU-18議会＞
宮崎県都農町では町内唯一の高校が2021年末に閉校となり、若者流出が加速する中、通常の議会には参加できない若者たちでも、活発な議論、提案を行うことで、町に当事者と関わり続けるしくみをつくりたいと考え、「ゼロカーボンU-18議会」を企画。全国の地方市町村では、同じ様な課題を抱えるため、今回の取組が全国に拡がっていくことを願っている。
【議事日程】
開催日時：3月25日(金) 14:00-16:00
14:00 議会開会
14:10 議案上程
14:15 提案理由説明
14:45 質疑・討論
15:45 提言を町長に提出することの決議
16:00 閉会
