エデュテクノロジーは9月4日、村田製作所および北里研究所と連携し、教員のメンタルヘルス対策に関する事例の創出と、学校組織運営の適正化の一環として「教育現場での疲労・ストレス度可視化」を学校の協力の下、実施すると発表した。
本実証研究は、村田製作所の提供する疲労ストレス計 MF100を使ってストレスに関連する自律神経のバランス(ストレス度)と疲労に関係する自律神経機能の偏差値(疲労)とを可視化したデータを元に、医療関係の有識者の視点から実態を捉え、適正なエビデンスを得ることで、教員の健康推進につなげることを目指している。
現在の教育現場では、多様化・複雑化した教育課題に迅速かつ的確に対応するために、これまで以上に一人一人の教員が抱える業務が増加している。文部科学省『「令和の日本型学校教育」を担う質の高い教員の確保のための環境整備に関する総合的な方策について』の方策においても、4. 教員の健康及び福祉の確保に向けた取組の充実(第3章 学校における働き方改革の更なる加速化)に向けた施策の一つとして、「教員一人一人のメンタルヘルス対策に関する事例の創出」や「学校の労働安全衛生管理体制の整備」が言及されている。
疲労ストレス計 MF100
エデュテクノロジーでは、教員の自律神経のバランスと自律神経機能の偏差値を元に、適正なエビデンスを得ることで、学校の労働安全衛生管理体制の整備につなげられるのではないかと考え、学校と協力して「疲労ストレス計 MF100を活用した教育現場での疲労・ストレス度可視化」を始動することにした。
今回の実証では、北里研究所(北里大学医学部 衛生学 武藤講師を中心とした研究グループ)が主導する研究にエデュテクノロジーと村田製作所が連携する形で関与しており、教育現場(学校)と一般的な労働現場(企業)での教員と従業員の自律神経のバランスと自律神経機能の偏差値を元に、現場の実態を北里研究所の医学的な視点から明らかにし、適正なエビデンスを得るところまでをゴールとしている。
今後、エデュテクノロジーは、教員のメンタルヘルス対策に関する事例の創出と、学校組織運営の適正化につなげることができるのか、といった課題解決への有効性についても実証の継続も検討する。
今回の実証研究は、北里研究所の主導のもと、具体的に下記の運用を想定している。
測定の様子
期間中(閑散期と繁忙期)、教員に疲労ストレス計 MF100で自律神経のバランスと自律神経機能の偏差値を3日間(1日最大2回)測定し、特定日には問診フォーム(睡眠時間、飲酒の有無、職業性ストレス簡易調査票、ピッツバーグ睡眠質問票など)への回答をもらう。
研究に協力した教員へ、自律神経のバランスと自律神経機能の偏差値のデータを可視化したレポート(個人情報に紐づかない)を要望に応じて共有する。
この調査は、教育現場(学校)と一般的な労働現場(企業)の両方で実施する。北里研究所がデータの傾向を比較、主観的・客観的な評価法の効果を検証し、調査で得られた知見は、2025年に開催される第33回日本産業ストレス学会等の医学系学会や論文で発表する予定。