バッファローは、教育委員会のICT関連業務担当者を対象に、学校現場におけるICT活用とネットワーク環境に関する調査を実施。教育委員会のICT担当者の70.9%が「学校のWi-Fi環境について改善したい」と感じていることが明らかになった。
現在、学校で導入しているWi-Fiについて改善したいと感じることがあるか聞いたところ、「ある」が70.9%、「ない」が18.6%だった。
「ある」回答者に、具体的な改善要望を聞いたところ、「一人一台端末を使用する際など、多台数の端末を同時接続した場合に通信が不安定になる」が55.7%、「一斉に動画視聴をした際に、再生速度にバラツキが発生し授業進行に支障が出る」が44.3%、「オンライン授業時に、映像や音声が途切れることがある」が34.4%となった。
ネットワーク機器の保守・管理において、機器の集中管理サービス(ソフトウェアやクラウドによる管理など)を利用しているか聞いたところ、「利用している」が69.8%、「利用していない」が15.1%という回答となった。
「利用している」回答者に、現在利用している集中管理サービスについての課題を聞くと、「ライセンスの更新費用が高く、継続に課題を感じている」が46.7%、「複数メーカーの機器を一元管理できず、管理が煩雑になっている」が38.3%、「サポート体制が不十分で、トラブル時の対応に不安がある」が31.7%という結果となった。
また、「利用していない」回答者にその理由を聞いたところ、「初期導入費用が高額で予算確保が困難」「導入後のライセンス更新費用が継続的な負担になる」という回答がともに38.5%で上位となった。
ネットワーク機器のリプレース検討の際に重要視する機能や製品仕様について聞いたところ、最も多い回答は「セキュリティー機能の高さ」で52.3%。以降「多台数接続時の通信安定性」と「通信速度の速さ」48.8%で続く。
リプレースを検討する場合の財源は、「自主財源」が35.0%、「活用可能な補助金(今後発表された場合)」が26.7%、「ネットワークアセスメント補助金」が18.6%だった。
ネットワークアセスメント(現在のネットワーク環境の調査・分析)の実施状況について聞いたところ、「実施済み」が40.6%、「実施予定」が32.6%という回答となった。
今回の調査では、GIGAスクール構想導入後の教育現場において、一人一台端末の活用が進む中で多台数接続時の通信安定性やネットワーク機器の集中管理サービスのライセンス費用負担などネットワーク環境の課題が顕在化していることが判明した。教育のデジタル化が加速するなか、安定したICT教育環境の実現は教育効果向上の鍵となる。しかし、予算制約や専門人材不足といった現実的な障壁により、理想的なネットワーク環境の構築に苦労している実態が浮き彫りとなった。
<調査概要>
調査手法:インターネット調査
調査実施日:8月22日〜8月26日
調査対象者:教育委員会のICT関連業務担当者
有効回答数:86