公財・日本漢字能力検定協会は、今年一年の世相を“漢字一字”で表現し、京都・清水寺で発表する「今年の漢字」の募集を11月1日より開始する。
1995年にスタートした「今年の漢字」は今年で30周年。1995年に第1位に選ばれた「震」から2024年の「金」まで30回の開催で、合計23字の漢字が選ばれてきた。 ※30回の中で、「金」が5回、「災」「戦」「税」が2回ずつ選ばれている。
1995年から2024年までの過去30回分の「今年の漢字」の大書(揮毫:清水寺 森清範貫主)
1995年から2018年までの“平成”に開催された「今年の漢字」24回の中で、最多の16回にわたりトップ10の漢字にランクインしたのが「乱」だった。政治経済、異常気象に「混乱」し、世の中の秩序や倫理観が「乱れ」、犯罪が多発し、「乱世の時代」だと感じる人も。このように「乱」という字は、ネガティブに捉えられることが多い一方で、ワールドカップでのサッカー日本代表の活躍に「狂喜乱舞」したというポジティブな意味合いでの応募もみられた。そんな「乱」だが、16回もトップ10にランクインしているにもかかわらず、「今年の漢字」第1位に選ばれたことはない。
また、平成の時代に他の漢字を圧倒した「乱」は、令和になってからは、トップ10にすら一度も登場していない。
平成にトップ10に最もランクインしたのは「乱」だが、令和(2019年~2024年)の6年間でトップ10に最もランクインしているのは「変」という字で、2015年から10回連続でトップ10にランクインし続けている。
2019年以降は、元号の「変化」、オリンピック時期の「変更」、台風や大雨による「天変地異」、猛暑などの「気候変動」を理由に、「変」という字に応募している人が多いことが分かった。
京都・祇園の漢検 漢字博物館・図書館(漢字ミュージアム)では、10月21日より、企画展「今年の漢字展」を開催。「今年の漢字」開催初年の1995年から2024年までの大書現物をすべて展示する。本物が持つ迫力と、一連の展示が表す日本の世相の移り変わりを楽しむことができる。2026年2月23日まで。