ベネッセコーポレーションが提供する通信教育講座「進研ゼミ 高校講座」は、全国の高校1年生~3年生756人に2025年の意識や学びの変化に関する調査を実施。12月9日、その調査結果を公表した。本調査では、高校生が2025年に何に関心を寄せ、デジタルやAIが学習へも取り入れられているなかで、学びがどのように変化しているのかを明らかにしている。
2025年に最も注目したニュースを聞いたところ「初の女性総理大臣誕生」が最多(30.0%)となり、若年層の政治への注目度が高まっていることが示された。続いて「大阪・関西万博開催」が2位(23.2%)、「熊出没・被害のニュース」が3位(15.6%)に入り、生活圏や将来に関わるテーマへの関心が強い傾向が見られる。また「物価高」「米の価格高騰など家計負担に直結するトピックスも上位に入り、日常生活に近い社会課題を敏感に捉えている姿が浮き彫りになった。

この1年で最も多かった悩みは「進路・受験のこと」(30.8%)で、進学先や将来の方向性を選ぶ局面に対する不安が高校生の最大の関心事であることがわかった。続いて「勉強へのモチベーションの維持」「勉強の仕方」「部活との両立」など、日常の学習・生活と密接に関わるテーマが上位に入った。また、悩んだ時の相談相手としては「家族」(51.8%)と「友達」(48.2%)が中心となった一方、「自分ひとりで考えた」(36.8%)、「学校の先生」(29.7%)に次いで「生成AI」(28.8%)が5位にランクイン。AIが進路や学習の不安を整理する“第三の相談相手”として受け入れられつつある様子がうかがえる。

勉強中にわからない問題が出た際の対処法を聞いたところ、「インターネットで調べる」が最多(67.2%)となり、続いて「生成AIに質問する」が2位(63.6%)に入った。友達や先生(人)に聞いたり、辞書・参考書(本)で調べたりするよりも高い割合となっており、“デジタルやAIで確認する”動きが広がっていることがうかがえる。
この1年での学習スタイルの変化では、「AI活用が増えた」(43.1%)と「動画・アプリなどデジタル活用が増えた」(27.9%)が上位を占め、両者で全体の約7割(71.0%)を占めた。一方で、紙教材中心の従来型を継続する層も一定数存在し、デジタルとアナログの併存が続いている。勉強のスタイルを一言で表す問い(自由回答)では、「スキマ時間スマホ勉強型」「AI二人三脚型」「デジタルアナログハイブリッド型」など、効率性や最適化を意識したスタイルが多く挙がった。

この1年で「学習にAIを活用した」と答えた高校生は約9割(87.6%)に達し、生成AIが学びの中に広く浸透していることが明らかになった。具体的な活用内容では、「わからない問題の解き方を質問した」が最多(86.0%)で、続いて「難しい用語や概念の説明」(53.6%)「関連問題の生成」(24.6%)「勉強計画の作成」(23.9%)などが挙がった。AIは知識の補強だけでなく、理解の深まりや学習計画づくり、モチベーション支援まで担う“学びの伴走役”として活用が広がっている。

2026年がどんな1年になるかについては、「AIがさらに身近になる年」が最多(63.0%)で、次いで「経済・政治への関心が高まる年」(54.0%)が続く。AIの進化が高校生の生活や学びに一層影響を与えると捉える一方、社会の動きにも積極的に目を向けようとする姿勢が強まっていることがうかがえる。また、「多様性・ジェンダーへの理解が広がる年」(21.6%)、「リアルな交流・体験が再び重視される年」(17.6%)など、価値観の幅が広がることを予測する声にも票が集まった。
2026年の流行予想を聞いた自由回答では、「AIで創る動画・音楽」など生成AI活用の広がりに加え、「レトロ回帰」「モンチッチ」など懐かしさを楽しむ要素も挙がった。さらにここでも初の女性総理大臣誕生に関する注目が見られ、AI・創作・レトロ・政治関心が混在するユニークな未来像が浮かび上がった。

<調査概要>
調査手法:インターネットによるアンケート
実施時期:2025年11月5日~15日
調査対象者:進研ゼミ高校講座提供「StudyCast」と「Study NEWS!進研ゼミ」利用者の高校1~3年生
回答数 756