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旺文社、高校のICT・AI活用実態調査 10年間の推移を分析〜生成AI活用意識に大きな変化

2026年2月16日

旺文社は、高等学校におけるICT機器・サービスの導入・利用状況および生成AIの活用実態について、アンケート調査を実施した。今年で10回目となる本調査では、全国547校の高等学校から回答を集計。直近の実態調査に加えて、10年間の推移データを基にした動向分析を行った。

 

 

 

■生徒用ICT端末配備は家庭での費用負担割合が増、端末機種の「学校指定」割合はやや減

高等学校で導入されている生徒用ICT端末の種類は、引き続き「タブレット型」が主流。端末の機種については「学校指定」の割合が71.5%と多いものの、昨年度よりも4.4ポイント減となった。

対して、「個人費用負担/機種の指定なし」の回答割合が23.2%と昨年度より4.6ポイント増となり、AI需要やメモリ価格の高騰でICT機器が値上がりする中、「家庭が端末費用を負担する代わりに機種の選択は自由」とするケースが増えている。

 

 

 

 

■校内ネットワーク環境の高い整備率と通信品質に残る課題

高等学校におけるネットワーク環境についての調査では、「校内のどこでも無線でのネットワークを使用できる」の回答割合が昨年度調査と変わらず半数を超えた。通常授業で無線ネットワークを利用できる高等学校は合計85.4%を超えており、インフラ整備率として高止まりしている。なお、「生徒用のネットワーク環境を整備していない」と回答した11校のうち7校は、中等教育学校(6年制)。

 

 

 

一方で、ICT活用における課題として、「安定したネットワーク環境の整備」の回答割合は54.7%と、昨年度から1.6ポイント増となり、ネットワーク整備率の高さに反して課題がある状況だ。「インターネットを使用する機会が増えることに伴い、回線が繋がらなくなることも増えてしまった」という回答も見られ、スムーズな通信を保障するネットワーク回線の質が問われている。

 

 

 

 

■見直されるICTの有用性と広がる高等学校での活用場面

ICT活用の必要性を感じるポイントについての意識調査では、昨年度減少傾向にあった「映像授業・動画視聴」「オンライン遠隔授業」「リモートでの課題配信」「生徒・保護者への連絡」が、それぞれ4~7ポイント程度増加となった。脱コロナで見られていた“リアル回帰”の傾向から、生成AIなど新技術・サービスの利用が進み、ICTだからこそ実現できることの価値が見直されているようだ。

 

 

 

そのほか、ICT利用との親和性が高い「情報・探究などの授業」(62.3%)は昨年度から2.1ポイント増、元々需要の高くなかった「クラブなど課外活動」(18.5%)も昨年度から4.6ポイント増など、シーンを問わず学校生活のあらゆる場面にICT活用が根付いてきていることがわかる。

 

■生成AIの活用割合が大幅増

昨年度から設問に加えた生成AIの活用についての調査では、「授業や生徒指導にかかわる校務」「学校運営にかかわる校務」「学校行事や部活動」「保護者への対応」の4項目すべてで、「まあまあ活用できている」の回答割合が大幅増、「まったく活用できていない」の割合が大幅減となった。

「まあまあ活用できている」「あまり活用できていない」を合計した“中間回答層”の割合が全体の8割水準となり、利用実態が過渡期を迎えている状況だ。特に「授業や生徒指導にかかわる校務」では、「あまり活用できていない」の割合も減となり、AI活用はこの1年で大きく進んだことがうかがえる。

 

 

 

一方で、「生成AIを使用する際のルール作りや注意点の指導ができていない」「校務の効率化を目的として生成AIを利用するようになったが、プロンプトの作成や活用スキルが高くない先生の補助などでかえって時間がかかってしまう」といった課題も挙がっている。

 

■高校ICT調査10年間で見られた「変化」と「不変」の事象

2017年度から開始した本調査で得られた10年間の推移データを基に、高等学校を取り巻く教育ICT環境で起きた変化をまとめた。

①ネットワーク環境の整備状況

GIGAスクール構想の推進やコロナ禍のオンライン需要もあり、2021~2022年度を境に「有線のみでネットワークを使用できる」高等学校が大きく減少し、加速度的に無線ネットワーク環境の整備が進んだことがわかる。

モバイル端末配備の拡大と合わせ、2023年度には「通常教室で無線ネットワークを利用できる」高等学校が8割を超えた。「校内のどこでも無線ネットワークを使用できる」高等学校の割合は、10年前には1割未満だったが、2025年度に5割を超え、この10年での劇的な変化が見て取れる。

 

 

②生徒用ICT端末活用についての意識

10年前の2017年度調査では、「活用できている」意識と「活用できていない」意識の高等学校が、およそ半数に二分されていたが、徐々に「活用できている」派が増え、2025年度以降は8割を超えている。「十分活用できている」の強い肯定回答割合は、コロナ禍中の2021年度に1割を超え、2025年度以降は2割超の水準を維持している。

 

 

 

③ICT活用における課題

10年間の調査を通じ、「ICT活用における課題」として変わらずトップの回答割合だったのは、「教員の活用スキル引き上げ」。「活用できている」ことの意識が向上する一方で、こちらは不変の課題であると言える。

 

 

 

「十分な端末数の配備」を課題に挙げる割合は、1人1台の端末配備が浸透した2022~2023年度に急落。ただ、2025年度から選択肢に加えた「充電切れや故障などへの対応」は5割弱と高い回答割合で、運用面での課題はいまだに根強いようだ。

また、コロナ禍中の2022年度から「生徒の情報モラルの向上」の回答割合も急激に伸び、最新の調査でも66.2%。生徒への教育や情報管理については、ICTを通したコミュニケーションの難しさや、利用サービスの増加に伴うアカウント管理の煩雑さも課題に挙げられている。

 

<調査概要>

調査方法 Webアンケート

調査時期 2025年12月上旬~2026年1月中旬

調査対象 全国の国公私立高等学校(中等教育学校を含む)

回答数 547

 

 

旺文社パスナビ for School

株式会社 旺文社

 

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