日本の高校生や大学学部生の英語運用能力が、過去12年間で着実に向上していることが、ETS Japanが発表した研究報告書で明らかになった。2012年から2024年にかけて実施されたTOEFL ITPテストの受験者100万人以上のデータを、国際的な熟達度指標であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)と対応付けて分析したもので、国が進めてきた英語教育改革や大学の国際化施策の成果が、グローバルな指標を通じて可視化された形だ。

調査結果によると、高校生の総合スコアは2012年から2024年までに25点上昇。当初はCEFRのA2レベル帯にあったが、2020年以降はB1の基準値(433点)を上回る水準を維持している。大学学部生も同期間で28点上昇し、一貫してB1レベル帯を維持。特に日本語を第一言語とする大学生はリーディング技能の伸びが最も大きく、世界パーセンタイル順位も2014年の第40パーセンタイルから、2024年には第49パーセンタイルへと上昇した。
大学間での格差も浮き彫りになった。政府が国際化を支援する「スーパーグローバル大学(SGU)」に在籍する学生の総合スコアは、12年間で36点上昇。2024年には世界第61パーセンタイルに達した。一方、非SGU大学の学生の上昇幅は15点にとどまり、2024年時点で最大46点のスコア差が生じている。
今回の分析対象にスピーキングとライティングは含まれていないが、学校の教員や大学の教職員による長年の取り組みが、アカデミックな英語力の向上という成果に繋がっていることを示唆している。
報告書はこちらから無料でダウンロードできる。