愛知県豊田市で、高校生が企業の現場で給与を得ながら学ぶ産学官民連携のキャリア教育「豊田市アプレンティスシッププログラム」が始動した。豊田市産業部産業人材活躍課が主催し、キャリア教育の企画・運営を手がける一社・アスバシが運営を担当。7月29日から、市内の7事業所で高校生11人が「見習い生」としての就業に取り組んでいる。

アプレンティスシップとは、実際の職場で経験を積みながら専門スキルや知識を身につける職業教育の仕組みだ。従来の単発的な職場体験と異なり、参加生徒は企業の一員として雇用契約を結び、実務経験を重ねる。
今回のプログラムには、市内の高校1〜3年生11人が参加。建設、製造、整備、介護・福祉、サービスなど多様な業種の企業で、8月3日から28日までの期間中、1日3〜7時間、週3〜5日程度のパートタイム勤務を行っている。時給は愛知県の最低賃金以上が支払われ、労災保険も適用される。
プログラムは、生徒の成長を支えるための段階的な学習設計と支援体制を備えている。7月3日と5日の説明会後、7月23日と26日には働く上でのマナーやチームワーク、安全管理などを学ぶ事前学習を実施。7月下旬の無償インターンシップと面談を経て本格的な就業へと進んだ。
就業期間中は、受入企業ごとのメンターが業務指導と振り返りを行うほか、アスバシのコーディネーターが定期的に巡回して生徒と企業の双方を伴走支援する。8月29日には事後学習と修了式が行われ、参加者が学びと成長を振り返り共有する予定だ。
豊田市では3月にも豊田西高等学校定時制の生徒が企業で就業を始める先行事例があったが、今回は夏季プログラムとして受け入れ企業と対象生徒を拡大した。
学校、企業、行政、支援団体が一体となって高校生の成長を支えるこの取り組みは、生徒自身が自分の得意分野や関心を知り、納得感のある進路を選択する助けとなる。それにとどまらず、地域産業の将来を担う人材の育成にもつながる持続可能なキャリア教育モデルとして期待が集まっている。