読書のオンライン習い事「ヨンデミー」を運営する㈱Yondemyは、愛知県豊橋市の公立小学校2校で、AIを活用した読書習慣形成支援プログラムの実証実験を2025年6月から行っており、そのうちの1校である津田小学校で、サービス導入から1か月で、児童一人あたりの読書量が全国平均の推定約2倍以上に、また学校図書館の貸出冊数も前年比2.4倍に急増し、夏休み期間中も全校生徒の71%が自主的にサービスを利用したことを発表した。
津田小学校では、児童の読解力不足に危機感を抱き、これまでも読書活動の推進に力を入れてきた。そうした中で、「子供の選ぶ本のジャンルの偏り」や、家庭での読書習慣の有無による「見えざる読書格差」といった課題が顕在化。「ヨンデミー」導入前の調査では、全校児童の約4割が、家庭での読書時間ゼロという実態も明らかになった。
こうした状況を打破すべく、同校では児童一人ひとりに寄り添った読書体験を提供し、本を通じて学びと成長を支援する「ヨンデミー」の実証実験を開始した。
実証実験では、児童の1人1台端末に「ヨンデミー」ログイン用のアイコンを設置、児童へ使い方の説明や実演などを行なってスタート。毎日の昼の10分間読書タイム、家庭を中心に「ヨンデミー」を活用する。
児童一人ひとりの読解レベルや興味・関心に応じて、AIが最適な本を推薦し、さらに1人1台端末を通じたミニレッスンや、読後の感想提出といった機能を通じて、読書を「楽しい習慣」として日常に根付かせることを目指している。
児童が自分で日々アプリに自主的に記録し、その申告のうち、途中まで読んだところの感想や、途中で読むのをやめたケースを除いて計測した。
実証実験では、地域の書店「豊川堂」の協力により、学校図書館の蔵書の情報とヨンデミーのデータ連携を行っていることから、学校図書館の蔵書から児童が本を読むことにつながり、学校図書館の貸出冊数は前年比2.4倍に急増。先行導入した1年生では2.8倍を記録した。
また読了冊数は全国平均の1.5倍に達し、特に1年生は全国平均の推定約2倍にあたる 月平均59.2冊を読了。導入後1か月で全国平均を大きく上回る読書量を示した。
導入前の保護者アンケートでは、家庭での読書時間について「全く読書をしていない」と答えた割合は39%に上っていた。ヨンデミー導入後は、この読書習慣のない層のうち41%が全国平均以上の冊数を読了。さらにこの層において、1人1台端末を持ち帰り、家庭でも読書記録を行った児童は32%に達するなど、家庭での主体的な読書習慣の形成にも効果が見られた。
学校からの働きかけのない夏休み期間中も、全国生徒の71%が自主的に読書記録を継続。不読層だった児童の44%も夏休み中も継続利用し、主体的な学びの習慣形成にもつながっている。
ヨンデミー導入後は読んだ本の感想を共有する会話が増加したほか、アプリの感想機能を通じて、友達同士で本を勧め合う動きも広がったという。
ヨンデミーはAIにより児童一人ひとりに最適な本を推薦しており、これまで好みのジャンルの読書に偏っていた児童が、新たなジャンルにも挑戦するようになり、読書の幅も広がっている。
教員は、これまで曖昧だった児童の読書状況を把握できるようになったことで、指導の改善に役立てることが可能になった。
同校の滝川昌男校長は「読書量が増えた要因としては、教員だけでなく、保護者の関わりも大きい。これを継続して、一過性のものではなく習慣化することが大事。引き続き学校と家庭が連携して取り組んでいく」としている。
実証実験の詳細 note https://note.com/yondemy/n/n35a2cb5681a7
Yondemy https://lp.yondemy.com/