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学校施設

第5回【教職員のメンタルヘルス】誰に相談するの?カウンセリングの現状

2013年11月18日
連載

対処療法からの脱却を図るため行政が舵を取り予防的対策を

気になる・心配な教員を誰が判断して話すのか

最近、あなたの職場からメンタル面で「気になる」「心配な」教員が発生したとします。以下の(1)から(3)について、あなたの職場ではどのようになっていますか。

(1)病院に行った方がよいかどうか、誰が判断をしますか
(2)本人に対して、どなたが病院に行くよう話をしますか
(3)病院は、どのようにして探していますか

 

(1)や(2)については、ほとんどの職場で「誰が話すか」は決まっていないのではないでしょうか。例えば、管理職が本人に病院へ行くように話をした場合、悪気がなくても最近では「パワハラ」として受け取られたりする場合があり、注意が必要です。

(3)の場合には、心療内科や精神科の専門医は地域にたくさん存在しますが、個人で探すとなると素人にはどの医療機関が良いのか判断が付きません。

川口市が始めた教職員 専門のカウンセラー

この問題を通して浮き彫りになるのは、「今の学校現場にはメンタルヘルスの専門家がいない」ということです。実に切実で喫緊の課題なのです。

そこで埼玉県川口市教育委員会では、平成19年より、全国に先駆けて「教職員専門のメンタルヘルスカウンセラー」を採用し、教職員のメンタルヘルス予防に関して優れた成果を上げています。本稿ではその活動の一端をご紹介したいと思います。

午前、午後に各1校

活動の中心は「巡回相談」の実施です。原則的には午前中に1校、午後に1校の学校訪問を行い、午前中は管理職や養護教諭との面接、午後は放課後に一般教諭との面接を実施しています。なかでも一般教諭を対象とした放課後面接では、緊急要請があった教員は最優先ですが、特に問題を有していない教諭との「雑談」も大切にしています。

その理由は、以前は何日か早退やお休みを繰り返してから休職に入るのが一般的な傾向でしたが、最近ではある日突然、何の前触れもなく校長室にやって来て「今日から休ませてください」というパターンが増えており、なかなか休職者を事前に察知することが困難になっているからです。

さらにメンタル面で不調になった当事者の中には、職場の同僚に知られることを嫌い、直前になって面接を回避することがあります。

このような場合に備え、巡回相談の際に「雑談も行う」ことを事前にお知らせします。緊急に面接を必要とする該当者を、雑談の予定者の中に「さりげなく」紛れ込ませておくことで、違和感なく面接を受けることが出来るのです。

以上のように川口市では、非常勤カウンセラーや産業医を配置して「病気になってから対応する」という対処療法(3次予防)ではなく、「(休職者を)出さないようにする」という1次予防や「早期発見・早期治療」の2次予防の発想を大切にして活動しています。

活動の成果として、平成24年度には休職寸前で同僚や管理職から連絡を受け、継続面接を実施した結果、休職を未然にストップできた人数が”45名”に達し、約3・6億円の人件費の抑制を達成しました(休職者1人発生すると、代替教員の費用を含めて1人約800万円かかる)。

「たかが雑談、されど雑談」ですね。同じ予算を使うなら、これからは「予防的対策」に舵を切る時では。教育行政の「英断」に期待したいものです。

執筆=土井一博(どい・かずひろ)日本教職員メンタルヘルスカウンセラー協会理事長、川口市教育委員会学校教職員メンタルヘルスチーフカウンセラー、順天堂大学国際教養学部客員教授(教職課程)

【2013年11月18日号】

教職員のメンタルヘルス

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