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学校施設

予防の一首!! 学校の感染症【第4回】流行性耳下線炎

2019年2月18日
連載
ムンプス難聴、おたふくかぜの後遺症 子供が聴力 損なうことも
(『感染症カルタ』より)

合併症に要注意

絵=オカダマキ

絵=オカダマキ

“おたふくかぜ”ともよばれる流行性耳下腺炎は、ムンプスウイルスによる感染症です。発症すると耳下腺や顎下腺などの唾液腺が腫れ、痛みを伴って熱も出ます。感染力が強く、小学校や幼稚園、保育所などでしばしば流行します。第2種の学校感染症で、唾液腺の腫れが顕れてから、5日間を経過して全身状態が良くなるまで出席停止となります。潜伏期は16~18日と長く、発症する数日前から外にウイルスを出して他の人に感染させる可能性があります。

■飛沫・接触で感染

感染者の咳やくしゃみなどによる飛沫感染や手を介した接触感染でうつりますが、特に唾液腺の腫れる1~2日前から腫脹5日後までがもっとも感染の可能性の強い時期です。
一方で、感染者の約3割は感染しても症状を出さない不顕性感染。感染に気づかないままウイルスを排泄して感染源となることから、学校、教室内での感染防止が困難です。予防ワクチンはありますが、日本では任意接種で接種率が高くないため、約4年周期で大きな流行が起こっています。

■成人患者ほど重症化

通常、1~2週間で治りますが、いろいろな合併症を起こすことがあるので注意が必要です。髄膜炎、髄膜脳炎、難聴、精巣炎、卵巣炎、膵炎などの合併症があり、患者の1~2%が髄膜炎を起こして入院治療となります。成人患者では入院となる症例が比較的多く、小児より重症化する傾向が認められます。
合併症の中でも難聴(ムンプス難聴)は患者の0・1~0・4%に認められ、日本でも年間700~2300人がこの病気で難聴となっていると考えられます。8割は片側性の高度感音性難聴ですが、両側性の難聴になってしまう人もいます。片側性難聴は小児では気づきにくく、遅れて診断されることが多いです。おたふくかぜは小児が聴力を損なう主要原因の1つともなる、深刻な病気なのです。

■予防にワクチンが有効

現在のところ、流行性耳下腺炎への有効な予防手段はワクチンしかなく、集団生活に入る前に接種することが望ましいと考えられます。
任意で受けるワクチンで1歳から接種でき、2回接種が勧められています。世界では117か国がおたふくかぜワクチンを定期接種とし、2回接種が110か国、1回接種が7か国です。2回接種の方が効果は高く、WHO(世界保健機関)は2回接種を推奨しています。医師に相談してください。

岡田晴恵(白鷗大学教育学部教授)

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2019年2月18日号掲載



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