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教育ICT

進む大型提示環境整備 ミラキャスト機能を追加する自治体が増

2019年3月19日
Society5.0を生き延びる力を育む学校環境

文部科学省「平成30年度以降の学校におけるICT環境の整備方針について」に倣った整備が進んでいる。文部科学省では普通教室のICT環境整備のステップ(イメージ)をステージ1~4として示しており、このすべてのステージに共通するものが「大型提示装置+各教室PC1台+無線LAN」だ。大型提示装置の全普通教室及び特別教室整備は、新学習指導要領に対応した学びの大前提だ。

大型提示装置2156台にミラキャスト機能を追加
鹿児島市教育委員会

平成30年度は次の自治体が大型提示装置の大規模整備を行っている。▼東京都教育委員会=都立高校186校の電子黒板を更新。特別教室整備を追加 ▼東大阪市教育委員会=平成29・30年度の2か年計画で全小中学校(小学校51校、中学校25校)全普通教室と特別教室に電子黒板を整備。小学校には30年度に教員用タブレットも配備 ▼熊本市教育委員会=全小中学校134校の全普通教室に約2300台の電子黒板と実物投影機を整備

WiFiを使わずに大型提示装置に転送

鹿児島市教育委員会は大型提示装置にミラキャスト機能を持つ「スクリーンビーム750A日本版」を整備して活用している

鹿児島市教育委員会は大型提示装置にミラキャスト機能を持つ「スクリーンビーム750A日本版」を整備して活用している

電子黒板やディスプレイなど大型提示装置の整備に合わせてここ数年、ミラキャスト機能を追加する自治体が増えている。ミラキャストは、タブレットPCに提示された内容を、WiFiを使わずにワイヤレスで大型提示装置に転送できる無線技術だ。WiFi環境に左右されないため、ほぼリアルタイムに転送できる。ディスプレイに追加することで電子黒板的に活用でき、電子黒板に追加することで、教員用タブレットの画面だけではなく児童生徒用画面も転送・提示できる。

松山市教育委員会は小学校54校に3年計画で、中学校29校に2年計画で、大型提示装置約1300台にミラキャスト機能を追加。東大阪市、鹿児島市、前橋市も大型提示装置にスクリーンビーム(Actiontec)を使ったミラキャスト機能を整備している。

Windows更新に対応 WiFiなしで無線で提示

鹿児島市教育委員会では平成28年度、整備済の電子黒板やディスプレイ等大型提示装置2156台に、ミラキャスト機能を持つ「スクリーンビーム750A日本版」を整備。29年度に活用を開始した。その目的と市のICT環境整備について学習情報センターの野本正樹主幹に聞いた。

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■タブレットPCから遅延なく動画を提示

各教室の大型提示装置の設置台に「スクリーンビーム750A」と無線APをボルト等で固定。タブレットPCは画面を見てすぐに接続できる

各教室の大型提示装置の設置台に「スクリーンビーム750A」と無線APをボルト等で固定。タブレットPCは画面を見てすぐに接続できる

鹿児島市では平成29年度末までにタブレットPCや無線LAN、実物投影機などを整備し、児童生徒用PC(タブレット及びノートPC)1台につき約2人の整備率となった。

提示環境は平成21年度のスクール・ニューディール事業実施時から整備を始め、全小中学校全普通教室及び特別教室を整備済。平成28年度予算でこれにミラキャスト機能を追加した。

野本主幹は「教員用タブレットPCや児童生徒用タブレットPCを、より円滑に活用できるよう、タブレット画面を転送して大型提示装置に提示できるようにした。整備した環境を生かして、教科の目標を達成する主体的・対話的で深い学びにつながる授業改善を進めてほしい」と話す。

教員は授業で、デジタル教科書を始め、写真や自作資料、子供のノートなどタブレットPCの画面を大型提示装置に提示したり、授業支援システムを活用したりするなど、導入当初から活用度は高いという。

導入にあたっては、授業のテンポを損なうことなく遅延せずに安定して提示できるように、事前に複数機種を検証した。

動画無線APは、タイムラグが生じたり、タブレットの台数が増えると遅くなったりなどがあり、無線APとミラキャスト機能をそれぞれ整備することとした。

普通教室用に選択したのがミラキャスト対応ワイヤレスディスプレイアダプター「スクリーンビーム750A日本版」である。

各教室には大型提示装置の設置台に「スクリーンビーム」と無線APをボルト等で固定して設置している(写真)。

様々な形状のミラキャスト製品があるが、学校における日常的な活用にも耐えられる設置型という点も安心だという。

■WiFiと異なる規格でつながりやすい

「スクリーンビーム750A日本版」を提供しているActiontecは、ミラキャスト機能の仕様を提供していることから、通信負荷の高い動画であっても、フリーズやクラッシュ、表示遅延や途切れなどが生じにくい機能性の高さが評価されている。Windows8・1以降であればWindows更新とともにミラキャストも更新されるため、Windows更新により活用できなくなるという心配がない。なおWindows7/8ではスクリーンビーム送信機とアプリを使って利用でき、Android製品(バージョン4・2以降)でも利用可。新製品の「スクリーンビーム960A日本版」は新たにiOSのミラーリングに対応する。今後は4K対応も予定している。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2019年3月4日号掲載

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