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教育ICT

大学入試もデータ分析力が必須 マインドセットの違いが格差を生む<東京学芸大学 准教授・高橋純氏>

2021年4月6日
第76回教育委員会対象セミナー・神戸

教育委員会対象セミナー「GIGAスクール構想 ICT機器の整備・活用」を3月1日神戸、3月9日福岡、3月16日静岡で開催。講演内容の一部を報告する。神戸開催は初。


東京学芸大学 准教授・高橋純氏

東京学芸大学 准教授・高橋純氏

「最近の生徒は紙に頼りすぎです(中略)紙を使い切ってしまったらどうするのでしょう」という記述が1815年の出版物にある。当時の主流は石板で、紙が最新のテクノロジーである。今読むと、この主張の勘違いぶりは明白だ。現在のPCがこのときの「紙」である。過去を繰り返さないようにしなければならない。

OECDの国際成人力調査(PIAAC)において、日本は、紙のみではトップクラスであったが、ICTを活用した問題解決能力が10位であった。ICT込みで力が測定される時代であり、PCを使うか使わないかという段階ではない。

PISA2018での読解力は次のようなプロセスが測定されている。情報を探し出す 理解する 評価し、熟考する

まさに情報活用能力ともいえるのではないか。

2018年調査から読解力の定義も変わった。「書かれた」が削除され、「評価する」という用語が追加された。日本はこれらを問う問題の正答率が特に低かった。

2021年度の大学入学共通テストでは、ほとんどの教科でデータや資料の取り扱いが出題されている。英語も長文で、テーマを理解して設問を頭に入れながら該当する情報を探す=読解する必要がある。

数学も問題文の読解が、より求められている。問題を一見しただけではどの教科の問題か迷うこともあり、教科の考え方が、コンテンツ主義から変わりつつある。

これまでは教員が「まず〇〇について調べなさい」「次に〇〇について考えなさい」と、プロセスを提示してきた。今後は、情報を収集して理解し、考える――質と信ぴょう性を評価する、矛盾を見つけて対処する、等のプロセスを子供自ら能動的に行えることが重要。「教員不要」で生涯にわたり能動的に学び続ける子供を育むための授業改善が、新学習指導要領の一番のポイントだ。

GIGA端末とクラウド活用は、一斉指導の延長のICT活用とは異なる。従来の「1クラス分の11台環境」「PC室」とも接続していない。ほぼ個人ユース・毎日の活用で「大人が普段当たり前にやっていること」をできるようにすることが求められている。

GIGA端末はクラウド活用前提で高スペックとはいえない。活用できるツールもこれまでと大きく異なる。「低スペックで使いものにならない」のではなく、「低スペックでもスムーズに活用できる」仕組みを考えて学びを構築したほうが良い。

GIGA端末活用はマインドセットが重要

最初のステップは「情報の共有」、次に「活動の共有」が始まる。この「共有」は、これまでのように、メールを添付して編集し直して再添付するレベルの共有ではない。クラウド上の共有スペースで複数人数が集い、編集し合うものだ。こうした経験の有無で「共有」のイメージは大きく異なる。クラウド活用の経験が少ない人は、従来の概念に縛られて簡単に「禁止」する傾向にある。これまでの経験が新しい環境の運営を阻害してしまうのだ。

OSが古いと新しいアプリは、その真価を発揮しにくいもの。これまでのICT環境整備の格差も各設置者のマインドセットの差から生じている。成功の可否は教員のマインドセット次第であり、自身のアップデートが必要である。

202010月、ICT機器を活用した授業の頻度について小中高等学校にアンケート調査を行った(日本教育工学会研究報告集に記載)。ICT活用の期待は小学校より中学校の方が高くなる。この期待に応えることが重要だ。

■「使うべきとき」を語る資格がある

GIGA端末を使うべきときに使う、という主張はよく聞くが、例えば車を使ったことがない人が、使ったほうが良いか否かを判断するのは時間がかかるだろう。車に慣れた人が判断するほうが確実で判断も早くなる。GIGA端末もこれと同様で、まず端末とクラウドに使い慣れることが重要だ。

基礎基本を中心にした一斉指導に定評があり、自信を持っていた教員のマインドセットが変わるきっかけは、YouTubeだった。基礎基本の解説動画がYouTube上に大量にあり、子供が自分で探して見に行き、学ぶようになり、その情報が子供同士で共有されていった。そこで解説動画にはできない授業を考えた結果、共有・協働など子供の活動中心とした授業に変わった。もともと授業力のある教員ほど、マインドセットの変化でさらに大きく飛躍する。

既にAI時代が始まっている。データの蓄積だけでは何も生まれない。それらを適切に分析して行動することが求められている。

一方で、収集すべきデータを誤ると活用を阻害することもある。ある教育委員会では、好ましい整備内容にもかかわらず良い事例の創出がみられなかった。教育委員会が「何回使ったのか」等を細かく集計しており、授業改善や子供中心の活用など、11台端末整備の目的が共有されていなかったようだ。効果測定の際も、GIGA端末を使って子供の頭をフル回転させることを意識することが重要である。【講師】東京学芸大学准教授・高橋純氏

【第76回教育委員会対象セミナー・神戸:2021年3月1日】

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2021年4月5日号掲載

  1. 東京学芸大学 准教授・高橋純氏
  2. 春日井市立高森台中学校 校長・水谷年孝氏
  3. 奈良市教育委員会 学校教育課情報教育係長・谷 正友氏
  4. 枚方市教育委員会 教育研修課 課長・鈴木秀和氏
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