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教育ICT

生徒指導・学びの両面でGIGA端末活用~垂水市教育委員会・鹿児島県

2022年4月4日

鹿児島県垂水市教育委員会(小学校8校・中学校1校)ではGIGAスクール構想により2020年度中に情報端末(WindowsOS)を全児童生徒分及び授業を担当する全教員に配備。各校で順調に活用が進んでいるという。各校の活用を促すポイントを教育委員会に、活用の様子を新城小学校(久木田昌之校長)と垂水中央中学校(亀山浩一校長)に聞いた。また、協和小学校(冨田茂也校長)からはレポートが届いた。なお肩書は2022年3月末時点。

教員と子供の「つながり」育む

学校教育課 河野克純指導主事

学校教育課 河野克純指導主事(取材時)

 

情報端末の本格的な活用は2021年度からで端末活用に「慣れる」ことを中心に、大きく4つの柱「端末持ち帰り」「AIドリルの導入」「生徒指導での活用(スクールライフノートの導入)」「協働学習の促進(遠隔教育)」で進めた。各校の教員が参加する情報教育部会では年6回の会議で情報共有し、県外視察なども行っている。

■日常生活にもつながる活用を

情報端末を、学習面のみではなく生徒指導につながる日常的な活用をしたいと考え「スクールライフノート」(EDUCOM)を導入。「心の天気」は、朝・帰りの気持ちを「晴れ・くもり・雨・雷」で入力するもので教員負担を最小限としながら毎日の自主的な端末活用につながると考えた。各校には、登校後、まず「心の天気」に入力することを依頼。その後の研修で、エビデンスを基に生徒指導につなげる方法や事例を伝えた。夏休みにオンライン研修や各校の活用状況の訪問ヒアリングを実施する等、メーカーの手厚いサポートも市全体での活用につながった。3月時点でほぼ半数の学校が毎日活用し、その変化を見て声掛けをする事例が増えた。

■「端末持ち帰り」方針を事前に周知

情報発信は有言実行につながると考え、配備前から方針を広く周知している。初年度は地元テレビの取材や市のホームページでの取組の発信が各校の活用を促進した。端末の「持ち帰り」活用についても家庭や学校に周知するとともに家庭での接続環境も事前に調査。学校によっては日曜参観時に保護者も一緒にログイン等を行い、その日に持ち帰りオンライン授業を行っていた。215月から平常時でも端末持ち帰りをスタートしたが、大きな問題は起こっていない。AIドリルとスクールライフノートは家庭からもログインでき、必要な家庭には通信費も市で負担するWi―Fiルータを、ローテーションを組んで貸し出している。毎週持ち帰る学校もあるが、端末破損はほとんどない。市で準備した持ち帰り用の専用鞄も破損防止につながっているようだ。校内では落下による破損もあるが修繕費等も予算化しており対応もスムーズだ。小規模校が多いため学校の壁を越えて協働学習ができるように遠隔学習も積極的に進めている。

2年目から真価が問われる

活用の真価が問われるのは2年目からであると考えている。今後はさらに学びと生徒指導の両面で活用を進め、教育観・授業観を深化させていく。早ければ再来年には次の端末更新の検討が始まる。その際にスムーズに進行できるようなエビデンスを示すことができるようにしたい。

垂水市GIGAスクール構想

垂水市GIGAスクール構想

坂元裕人教育長
「意味のある使い方」を実感

坂元裕人教育長

坂元裕人教育長

「GIGAスクールのまち垂水」を目指し、「持ち帰り前提」の端末環境整備と、授業や家庭学習での活用を視野に入れた「コンテンツ重視」のクラウドサービスの導入にこだわって整備を進めた。新しい事業を進めるためには学校や教育委員会にリーダーシップを発揮できるキーマンを配備し、学校と教育委員会で連携する必要があった。本市では河野指導主事が教育委員会のICT推進のリーダーとして、新城小学校の久木田校長は「学校変革」という熱い思いでリーダーシップを発揮。垂水中央中学校では、業務改善の視点からGIGAスクールの推進に努め、各校のモデルとなるような取組を行っている。

GIGA端末を文房具とし、かつ社会とつながるツールとするためには「意味のある使い方」を子供自身が実感できることが重要。そのために、子供の好奇心にブレーキをかけるのではなく、アクセル全開で使うことを重視。うまくいかないこともいろいろと起こるが、その失敗から学び、意味ある使い方を見つける支援をするのが教員の役割であると考えている。

市としての周知や広報は重要だ。毎年実施している「県民週間」の学校参観では、保護者や地域の方が学校の様子を見学する。そこで、GIGA端末で学び使いこなし、複式学級では教師役を児童が主体的に行っている姿を披露することができた。端末を介して子供とどう関わり、学びを変えていくかについて、保護者も考えるきっかけになった。端末の学習活用は「もはや当たり前」という波が広がっている。

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