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教育ICT

生徒指導・学びの両面でGIGA端末活用~垂水市教育委員会・鹿児島県

2022年4月4日

協和小学校
わくわくして登校 満足して下校

情報端末を「まず使ってみよう」という段階から「どんな使い方ができるのか」という段階に入っている。

年度当初より、児童の登校時間に松ケ崎小学校と境小学校をTeamsでつなぎ、あいさつの交流を行っている。また、夏休み・冬休みに端末を持ち帰り、課題やドリル、自由研究を行った。1月の鹿児島学習定着度調査で、特に社会や理科において県平均を上回った。端末活用の成果もあると考えている。

「心の天気」は朝と夕方に記入。1学期、心の状態があまりよくなかった児童も、日々の声掛けにより自己肯定感が高まっていった。児童アンケートによると1年間で、友達関係や自己肯定感に課題のある児童が16名から6名に減った。「心の天気」の結果とリンクしており、3学期はほとんどの児童が「わくわくして登校」「満足して下校」している。

玉置崇教授・岐阜聖徳学園大学
毎日の入力で変化がわかる「チェック」ではなく「キャッチ」する

垂水市が導入している「スクールライフノート」は、私が校長を務めていたときのアイデアを基に開発されたものだ。

子供と教員のつながりを強めて学校を元気にするICT活用の一つになると考えている。「心の天気」「学びの天気」の二本立てで「心の天気」は端末の日々の活用を推進し、教員と子供のつながりを強めるためのもの。「学びの天気」は、授業後、振り返りを天気とコメントで入力する。蓄積された情報を振り返る活動から児童生徒のメタ認知能力を高めて主体的に取り組む態度を育むものだ。

今後、子供からのSOSを発信できる相談機能の導入も予定している。SOSを気軽に発信できる場があることは子供のメンタルヘルスにとって重要だ。

様々な自治体に行くと情報端末がなぜ11台必要なのか、と聞かれることがある。文房具は全員に必要なものである。「心の天気」「学びの天気」は導入してすぐにその日から子供が入力でき、端末の文房具としての活用のきっかけになる。

大学生にもやらせてみたところ、コロナ禍の心の揺れがわかり、問題があると感じたときにすぐに面接することができた。自分の心の癖がわかる、という学生もおり、メタ認知につながっていた。企業でも活用したいという声が届いている。

文科省調査によると、教員と子供の関係が学力に大きな変化を与えることがわかっている。また、学級経営の第一人者である赤坂真二氏は「学級経営は『愛されている存在』であることを伝える営みである」としている。子供の居心地の良さは教員と子供のつながりであり、つながりはさりげないひと言で生まれる。

ある小学校で「心の天気」に雷ばかり入力する子供がいた。理由を聞くと「黄色が好き」だという。ある日「晴れ」を入力したので聞くと「母親に怒られた」そうだ。晴れマークは赤いのだ。

また、「学びの天気」である子供は「考え続けている」間は雨、「わかった」ときは「晴れ」を入力していた。

気持ちの変化がわかり会話につながれば良く、その子独特の入力指標を正す必要はない。いつもと違うマークは、聞いてほしい、という気持ちの表れだ。職員室で「今日うちのクラスのAくんは雷なのでよろしく」と迅速に共有でき、無理のない形で子供とつながることができる。コメントには皆の前で言えないことも記入できる。

先生との会話が少ない子供の天気は特に配慮してほしい。毎日の入力で変化がわかる。「チェック」ではなく「キャッチ」である。スクールカウンセラーとの連携もしやすくなる。朝は曇りだが帰りは晴れ、という変化は教員にとってうれしいものだ。子供との関係強化にぜひ活用してほしい。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年4月4日号掲載

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