EDIX東京2025が4月23~25日に開催され、3日間で2万3858人が来場した。公開授業は3本開催。世田谷区立駒繋小学校は3年社会で、身近な地域について学習。子供たちの“クリエイティブな学び”を公開した。
児童は前時までに駒繋小学校のあるまち「世田谷区下馬」について調べ、学校のまわりを歩いて魅力を発見。その魅力を伝える「まちラップ」を作成した。公開授業では会場内の参加者にインタビューを行い、自分たちのまちとの違いを考えた。
児童は授業開始前にiPadでKeynoteを開き、準備。授業開始後はまず「おとなりビンゴ」として、会場内の参加者に「どこから来たか」を訪ねて回り、目黒区、川崎市等のまちの名前が書かれた3×3のビンゴの完成を目指した。
授業開始前。児童は各自iPadを開き、準備している
次にグループごとに参加者にインタビューを行った。児童はiPadを持って自由に会場内を歩き、参加者とやりとり。自分たちで作成した「まちラップ」を聞いてもらい下馬の魅力を伝えた後、相手の住むまちについて質問。
会場を周り、参加者にインタビュー。「まちラップ」で地域の魅力を伝えた
観光スポットやその地域ならではの食べ物のほか、自然と住宅どちらが多いか、人通りや車通りの量、商店街の様子など、自分たちの調べた下馬との違いに着目して質問していた。下馬はガソリンの値段が高いと感じ、相手のまちのガソリンの値段を尋ねるグループもあった。
インタビューの様子は動画で撮影し、Keynoteのスライドに貼り付け。リーダー、動画を撮る係、インタビューをする係、メモをとる係と役割をあらかじめ決めていた。
インタビューの様子を動画で撮影
最後に気付いたことをグループで話し合い、ロイロノートのふり返りカードに入力し提出。児童は「遠いところから来た人が多かった」「下馬と違う点が聞けて勉強になった」と話していた。
児童は2年次に身の周りから九九を見つける九九ラップづくりに取り組んでおり、本単元でも楽しく下馬の魅力を伝える手段としてまちラップを児童自身が選択。ラップという文字数が限られる中で、町探検で見つけた多くの情報を精選する活動は効果的だった。
公開授業は全国から集まった参加者へのインタビューを通じて自分たちのまちとの違いに気づき、子供の興味を引き出し学びを広げたいと考えて設計。伝えるだけではなく、相手のまちについて知ることで、メタ認知力の育成につながった。
ふり返りはめあてに対して学んだこと、グループ活動の中で自分が頑張れたこと等の学び方に分け、その場で全員で共有するようにしている。
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教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年5月19日号