本年で30年目を迎える「NEW EDUCATION EXPO 2025」が6月5~7日に東京都内で、6月13・14日に大阪市内で、サテライト会場として札幌、仙台、名古屋、福岡で開催。本年のテーマは「学びの未来を、共に拓く。」。次期学習指導要領や新しい学びについてのセミナーが開催され、100社以上の教育関連企業が学習環境や教材を提案した。
「地域に根差す教員養成大学の現状と課題」について、4つの教育大学が登壇。教員養成の工夫を報告した。そのうち北海道教育大学と上越教育大学の教育実習関連の工夫や高校生向けプログラムについて紹介する。
北海道教育大学は地域とよりよく関わり価値を理解する地域に根差した教員養成が目的の1つ。その取組として高校生向けプログラムと大学生向けプログラムを実施。
北海道教育委員会と連携して進めている「みらいの教員育成プログラム」は高校2年後期「教員基礎」と高校3年生前期「教員基礎探究」で構成。学校現場での実習と大学講義への参加、若手教員との交流を取り入れており、札幌校、旭川校、釧路校で実施している。
大学生向けには、入学時に複数人のグループでへき地校を一日体験する実習(釧路校のみ)と希望者対象のへき地校体験実習を実施。
地域に根差す教員養成のためにはその地域ならではの体験が必要であると考え、釧路校では、東北海道の主要産業である酪農家への宿泊体験も大学3・4年生を対象に実施。一次産業の価値や重要性の理解に役立っている。
上越教育大学では、ボランティア的な意識をもつことが地域に関わる上で重要であろうという観点から大学2年次、教育実習前に地域の学校の手伝いを必修で設けている。
さらに3年次の教育実習では、5月に観察実習を1週間実施。9月末に3週間の本実習を行う。本方式は地域の学校との協議を経て可能になった。この方式を始めた当初は9月の実習期間に行う授業の単元が決まらないなどの課題もあったが、現在は定着してスムーズに進んでいる。
新潟県内の高校生に向けた「新潟次世代教員養成プログラム」も用意。高校2・3年生対象の前期プログラムで教職について体験的に学び、修了者限定枠の入試を受験でき、合格者は入学料が半額免除。大学入学後は新潟の地域課題について理解を深めるプログラムを展開している。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年6月16日号