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教育ICT

【第12回】KOSENから未来を創造 阿南工業高等専門学校「半導体専門展でレーザー加工機をアピール」

2026年4月29日
連載

一般展示エリアで実機と加工サンプル展示

徳島県阿南市にキャンパスを構える阿南工業高等専門学校(阿南高専)は、内閣府の「地方大学・地域産業創生交付金事業展開枠」(次世代‘光’創出・応用による産業振興・若者雇用創出計画)を活用して、「微細レーザー加工システム開発」に取り組んでいる。

阿南高専が開発しているのは「フェムト秒」という極めて短い時間で照射する特別なレーザー加工技術だ。1ミリの1万分の1という超微細加工が行え、半導体、医療機器、先端エレクトロニクス、航空宇宙などの先端分野での活用が期待されている。加工対象への熱影響を最小限に抑えることができるため、ガラスなど熱に弱い材料への微細な加工も行える。

阿南高専は2025年に東京ビッグサイトで開催された、半導体分野における国内最大級の展示会「セミコンジャパン」の一般展示エリアにおいて、独自開発したフェムト秒レーザー加工機の実機および加工サンプルの展示を行った。

高専や大学などが商談を目的とするビジネス展に出展する場合は、アカデミーエリアにブースを構えることが普通だ。ところが阿南高専は企業が出展する一般展示エリアに出展し、独自開発した加工機の技術の高さと使いやすさをアピールした。

KOSENから未来を創造 阿南工業高等専門学校「半導体専門展でレーザー加工機をアピール」

企業と肩を並べてブース出展

出展をきっかけに企業と共同研究

阿南高専のレーザー加工機は従来の加工機より安価で、しかもレーザーや光工学についての高い専門知識がなくても使いやすいのが特徴だ。阿南高専ではフェムト秒レーザー加工機の標準機(業界のプラットフォーム)を目指している。

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セミコンジャパン出展の目的について、産学連携高度レーザー基盤研究部門の尾﨑貴弥副部門長は次のように語る。

「半導体産業は政府、産業界、教育界において極めて重要な産業に位置づけられています。セミコンジャパンは国内最大の半導体産業の展示会です。出展により本校の取組が広く周知できると同時に、半導体産業における当校の役割を企業側へアピールすることで、産学連携や共同研究、学生の企業とのマッチングなどが期待できます」

高専や大学などの教育機関が展示会に出展するときは、ブースは簡易なもので、壁に説明パネルを取り付け、ブース内に置いた机の上に展示物を並べるといった必要最低限の方法で参加することが多い。

一方、阿南高専は青を基調としたデザイン性重視のブースを構築し、実機の展示だけでなく、実機による加工のデモも行うなど、一般企業と同様のブース運営を行った。

学生はブース内でレーザー加工機の基本的な説明をしたほか、阿南高専での半導体やレーザーに関する教育についても来訪者に伝えた。専門性の高い説明を求められたときは、教職員が引き継いで対応を行った。

ブースにはプライム(東京証券取引所の最上位市場)企業を中心に経営者、研究者、技術者、リクルーターなど100社近くの半導体関係者が訪れた。

「この出展をきっかけに、共同研究や協働開発に関するお話もいただき、本校が取り組むフェムト秒レーザー加工が先端分野への貢献につながる成果が得られました」

展示会出展は学会での発表とは違い、企業の研究者や技術者に対して説明を行う。実際の現場での課題や将来の技術についてディスカッションできると同時に、多くの知見を得ることができたという。

「学生が日頃取り組んでいる高専での学習内容や研究・開発が産業界にどのようにかかわっているのか具体的に理解できたと思います」

展示会出展の経験を機に、卒業後は半導体企業に就職した学生もいるそうだ。

社会実装を見据えた分野横断的な先端教育

創造技術工学科の長谷川竜生教授によれば、最近はAIやデジタル技術を身近な道具として自然に使いこなしながら、理論だけでなく「ものを作る」「実際に装置が動くか」といった現実的な視点を強くもつ学生が増えているという。

「発表会での説明といった経験を通じて、学んでいることが社会とどのようにつながっているかを主体的に考える学生が増えていると感じています。将来の進路や社会とのかかわりを早い段階から考えて行動できている点が、近年の高専生の大きな特徴です」

尾﨑副部門長は、中長期的(10年先)には、AIやDXが社会に定着した後を見据えた「ポストDX基盤教育」が重要になってくると指摘する。設計やプログラミングなどの知的作業はAIによる代替が進む一方で、社会インフラを支える基盤技術と、半導体やレーザーなどの尖った分野では、先端技術を担う技術者の育成がさらに重要になるという認識だ。

「5年先、10年先に必要とされる技術、例えば光半導体、フォトニクス、IOWN構想に代表される低遅延・高信頼通信、次世代エネルギー技術(核融合・小型原子炉・パワーグリッド)など、先端技術教育を分野横断的に展開し、社会実装まで見据えた実践的学修が重要です」

今後はより一層、産業界とのつながりを重視。企業と連携した教育基盤の整備に力を入れていく考えだ。

(蓬田修一)

 

教育家庭新聞 教育マルチメディア 2026年4月27日号掲載

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