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教育旅行・体験学習

優れた作品に触れて、体験を積もう<東京国立博物館 館長 銭谷 眞美氏>

2018年6月18日
教育旅行特集2018
銭谷眞美氏

銭谷眞美氏

博物館や美術館、学習施設には、実物に触れることで体験的に学ぶことができる、優れた教育機能がある。その魅力や、子供向けの取組について、東京国立博物館・銭谷眞美館長に聞いた。

子供の頃から優れた芸術作品に触れて

博物館や美術館は、従来から修学旅行など校外学習の場として、重要な役割を果たしてきました。東京国立博物館(以下、トーハク)は、日本とアジアの文化財を収集・保管し、調査や研究も行っていることから、中・高校生の来場が比較的多くなっています。中高生の皆さんに、日本やアジアの歴史や文化・伝統、さらに文化の多様性に関心を持って頂きたい、というのは当館の大切な願いになっています。

また幼少期、特に小学校高学年ごろに美術品や優れた作品に接することは、一生その子供の中に残る、と言われています。小・中学生の時に、芸術体験を積ませるということがとても大事なのです。

トーハクの「スクールプログラム」

そこでトーハクでは、博物館教育課を設置し、子供たちに芸術体験を積んでもらうためのさまざまな取組を行っています。その1つが校外学習で利用できる「スクールプログラム」です。「はじめての東博」「はじめての日本美術」などいくつかのテーマを用意し、レクチャーと観覧を組み合わせたものや、「学芸員体験」といった体験型プログラムなど、学校単位・グループ単位で年間300 件ほどご利用いただいています。

文化・地域・観光の拠点

他にも、親子向けのワークショップや、提携している大学の学生が無料で観覧できる「キャンパスメンバーズ」制度など、児童生徒、学生の皆さんに来館していただける取組に力を入れています。「キッズデー」も実施しています。

昨年1年間のトーハクの来場者数は過去最多の約250 万人になりました。海外からのお客様が増えていることもありますが、子供の来場者も増えています。

博物館は、従来の文化の拠点という役割に加え、最近では地域づくりや観光の拠点としての役割も求められています。「〇〇市に行ったら、まずは市の博物館に行こう」、あるいは「あの博物館があるから〇〇市に行ってみよう」という流れになって欲しいし、そういう博物館、美術館でありたい。トーハクも「東京に来たら、トーハクに行こう」となることを目指し、日々取り組んでいます。

身近な博物館や美術館に行ってみよう

子供向けの企画は、他の博物館でも全国的に増える傾向になっています。

各地域の博物館や美術館、資料館は、地域の芸術や文化をその地域の人に紹介することで、自分たちの地域について考えるよすがとなることを目指しています。

子供たちにも来てもらえるよう、地域の博物館として地域に貢献したい、という思いを持って、理科や歴史、地理の授業、美術の鑑賞の授業などに貢献できるような、展示の工夫や催し物を企画しています。

また毎年秋に開催される日本博物館協会主催の「全国博物館大会」でも、地域の博物館が学校教育にどう貢献できるかが、絶えず話題になっています。

日本には全国で6000 近い博物館や美術館があり、入場料も子供が入りやすいよう、無料だったり、安い料金にしていますから、身近な存在として大いに活用していただきたいと思います。

主体的な学びに大切なこと

そして訪れた博物館で、子供たちが主体的に学ぶようになるためには、子供の疑問や好奇心を大切にしてあげるのが良いのではないでしょうか。

例えば家にある古い美術作品の写真を撮って、博物館に持っていき、調べてみる。子供たちの発想はとっても面白いし、そこからアクティブ・ラーニングに該当するような調査が始まっていきます。

こうした子供の「知りたい」気持ちに、周りの大人も応えてあげて欲しい。子供が調べたいと言った時に、大人が博物館や美術館、図書館などに連れて行くのも、大事なことだと思います。


銭谷眞美氏
東京国立博物館館長。( 公社) 全国学校図書館協議会 会長、(公財)日本修学旅行協会 理事、「図書館を使った調べる学習コンクール」( 主催:公財・図書館振興財団)審査委員長も務める。

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2018年6月18日号掲載


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