東北6県・新潟ならではの「震災・防災・減災学習」や「探究学習・SDGsプログラム」について発表する「東北教育旅行セミナー」が7月24日、都内で開催された。各県からきめ細かな提案や助成制度などが紹介された。
学校や旅行代理店が参加した
青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県の東北6県と、新潟県の教育旅行を紹介する「2025年度 東北教育旅行セミナー」(東京会場)が、7月24日、東京都内で開催された。(一社)東北観光推進機構と、東日本旅客鉄道㈱(JR東日本)の共催。
東北観光推進機構 推進本部長・渡辺厚氏は、コロナ禍を契機に教育旅行の行先を東北・新潟に変更した学校が増え、一定数継続していることから「これを暫定傾向と捉え、さらに東北・新潟の魅力を感じ継続して頂きたい」と話す。
渡辺氏は東北の魅力として①探究学習の宝庫、②価格的優位性、の2つを紹介した。
①東日本大震災から来年で15年経ち、ハード面ではさまざまな伝承施設や各インフラが整備されたこと、ソフト面では幼少の時に震災を体験した人が働き手となり、地域に残り、地域を愛し、地域の産業や震災の伝承に携わっており、そうした人との交流を図ることができる。文化や農業、SDGsや先端技術、産業の学びなどでも色々な場面でさまざまな人と交流できる幅広い探究の場が用意されている。
②関西方面と比較してインバウンドやオーバーツーリズムの影響がそれほど大きくないこと、JR東日本の「東北復興ツーリズム」による特別レート、各県によるバス助成が挙げられる。
東日本旅客鉄道 マーケティング本部ユニットリーダー・松井信乃氏によると、2023年に発足した東北復興ツーリズムは、現在100を超える団体が参画している。
各県では特色ある教育旅行プログラムや、交通アクセス、助成を紹介。それぞれ教育旅行のワンストップ窓口や、コーディネート支援センターを設けている。
これらの情報は「東北まなび旅」サイトから見ることができる。同サイトでは、修学旅行モデルコースとして168コースを掲載。加工できるPPTデータも提供している。ほかにもAIによるコース作成、助成やセミナー案内といった情報、資料づくりのための写真素材なども利用できる。
「東北まなび旅」サイト:https://www.tohokukanko.jp/manabi/index.html
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年8月11日号掲載