新年、明けましておめでとうございます。
昨年は、補正予算・来年度予算案を通じて、要求した620億円を上回る国立大学の運営費交付金等の大幅な増額、大学病院経営支援の充実(349億円規模)、1000億円規模の成長分野転換基金のリスタートなど高等教育政策の転換を図ることができました。多くの皆様の御尽力や御支援の賜物で、厚く御礼申し上げます。
私たちには「多様性」と「学びの質」はトレードオフ(二律背反)だというバイアスが根強くあります。封建的な身分社会を乗り越えるためには、読むこと・書くこと偏重のメリトクラシーが不可欠で、多様性を排し同質性のなかで子供たちを競わせることが学びの質を高め、人生を保障する確実な道だと信じてきました。
しかし、同質性の高い競争が生む勝者と敗者の分断、読むことや書くこと以外の適性の切り捨ては、尊厳を踏みにじり、多様性があってこそ生まれる知的、社会的、文化的創造を阻んでいます。教育は「好きを諦めさせて、嫌いを強いて総得点を上げる修行」だというバイアスから脱却しなければならない所以です。
現在、学習指導要領改訂については、好きを育み得意を伸ばす観点からシンプルで分かりやすい学習指導要領、裁量的な時間の設定など教育課程編成の弾力化、子供たちの多様性に応じた学びの個別性の確保などが検討されています。大学入学者が3割減の46万人となる2040年は大学政策のターゲットイヤーであると同時に、この改訂の移行措置を小学校中学年で迎える実質的な新課程第一期生が大学に進学する頃でもあります。
義務教育から高校教育、高専、大学・大学院を通じて、デジタル社会、AI(人工知能)時代を切り拓く子供たちの学びの必然性を最大化するための施策を確実に展開したいと考えております。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。