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人材育成に向けて全8回で学ぶ企業の最先端「先端産業論」~ 信州大学×エプソン×ASPINAシナノケンシ

2022年5月27日

信州大学工学部は企業との連携を強化し、技術者による学生への授業と工学部教員による企業内教育を相互に実施することで、ものづくりに関する人材の育成に取り組んでいく。その第1弾として包括連携を提携しているエプソンとASPINAシナノケンシの社員が講義を行う新設科目「先端産業論」の授業を2022年度から開始。工学部の学生が先端的な技術や将来の技術者として必要な知識を身につける。

写真左から、セイコーエプソン 執行役員 技術開発本部副本部長 細野聡氏、信州大学 工学部長 天野良彦教授、シナノケンシ 代表取締役常務 金子行宏氏


■未来のエンジニアが
企業の最先端に触れる

企業の技術開発について「先端産業論」を通じて学ぶことは学生にとって重要な動機付けとなると同時に、大学で学ぶ意義を再認識する機会となる。さらに、工学技術のみならずグローバル視点や経営視点でのアプローチの事例を学ぶことはバランス感覚に富んだエンジニアの育成につながることが期待される。

 


■イノベーション視点を啓発する授業や講師の実体験などを語る

これまで企業から講師を迎えた授業は、1回のみの単発がほとんどで、同じ企業による8回連続の授業は工学部では初の試みとなる。エプソンの授業では一つの専門科目に留まらず、イノベーション視点を啓発する多面的な授業が行われる。また、ASPINAシナノケンシの授業では講師の実体験や事業の実例を織り交ぜながら、学生の職業選択や就職活動に役立つ内容が展開される。

 


■長野県から起こるイノベーションを目指して

ASPINAシナノケンシは2022年前期(64日~728日)に対面授業4回、オンライン4回の全8回で「ASPINA特別講義」を実施。工学部1学年485人のうち190人が履修登録するなど学生の関心の高さが伺える。長野県の地元企業であるASPINAシナノケンシは長野県からイノベーションが起こることを期待して学生と向かい合う。

 


<ASPINA特別講義 全8回 内容>

第1回「モタモタしてると負けちゃう。モーター市場での勝負の仕方!」

第2回「ニーズを捉えて強みを活かせ!自分のコアコンピタンスを知ることから始め

よう」

第3回「新しいこと創造しよう!会社での新規開発の進め方」

第4回「スティーブ・ジョブスを生み出す仕組み?イノベーションの創り方、

教えます」

第5回「モーター開発突破file1 高級家電編」

第6回「モーター開発突破file2 ロボットハンド・シャッターユニット編」

第7回「モーター開発突破file3 医療機器編」

第8回「めくるめく生産技術の世界!その奥深さと魅力に迫る」

 


■大学で学んだ基礎知識が技術開発につながる

エプソンは2022年後期から全8回の対面授業による「先端産業論(エプソン工学)」を展開。信州大学とエプソンは2006年に包括的な推進協定を結び、「現代技術論」などの授業を実施。「先端産業論(エプソン工学)」では、これまで学生が学んできた物理、数学、化学などの基礎知識が技術開発や商品開発のベースになることを実感できる。

 


<先端産業論(エプソン工学) 全8回 内容>

第1回「インクジェットプリンター工学(ヘッド:ピエゾ/吐出)」

第2回「インクジェットプリンター工学(インク:色材/樹脂)」

第3回「プロジェクター工学」

第4回「ロボット工学」

第5回「ウオッチ・ウェアラブル工学」

第6回「ペーパーラボ(DFT)・環境工学」

第7回「電子デバイス工学(半導体/水晶/センサー)」

第8回「分析・シミュレーション(DX)工学」

 


【信州大学 工学部長 天野良彦教授 コメント】

新型コロナウイルス感染症の影響からオンライン授業が多用されるなど大学教育の改革が進んでいる。従来のような教員の講義を一方的に聞くのではなく、学生が自ら学ぶ姿勢が求められる。そこで重要となるのが学生のモチベーション。実際の現場の話を企業から聞くことで学生のモチベーションを高め、地域の活性化にもつなげていきたい。

 

信州大学

エプソン

ASPINAシナノケンシ

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