公財・日本財団パラスポーツサポートセンター(パラサポ)DE&Iプログラム推進部ディレクターの山本恵理氏は5月17日、長野県の飯田文化会館で開催された下伊那教育会総集会にて「パラスポーツを通じて気づくー子どもたちの可能性を広げるインクルーシブ教育の力ー」をテーマに講演を行った。
先天性の二分脊椎症により生まれつき足が不自由な当事者として、また現役のパラ・パワーリフティング選手であるパラアスリートの視点も交え、約700人の教職員や教育関係者に向けて多様な価値観を受け止め子供たちの可能性を広げることの大切さを伝えた。
”現役アスリート”と”DE&Iを推進する管理職”二刀流のキャリアで生きる山本氏が「試行錯誤をする過程の大切さ」を伝える
今回の講演は、スピーチトレーニングを経て、伝えるスキルを体得したパラアスリートを中心とした講師を講演テーマや目的にあわせ紹介するパラサポのプログラム「あすチャレ!メッセンジャー」の一環。本プログラムの認定講師である山本氏が下伊那教育会の依頼を受け講演を行った。
「あすチャレ!メッセンジャー」では、学校の授業やDE&I教育、企業・自治体におけるDE&I推進やさまざまな研修などにおいて、希望の認定講師に依頼することができ、講演内容も相談可能だ。高校生向けキャリア教育授業も提供している。
パラサポでは、パラアスリートを中心とした講師が行う小・中・高・特別支援学校向けの教育プログラム、企業・団体・自治体・大学等向けの研修プログラム「あすチャレ!」を提供しており、2016年度から2025年3月末までに国内外で約5,600回開催、子供から大人まで58万人以上が参加している。10年目となる今年度は、JTB、アシックス、NEC、日本航空、中外製薬の協賛5社と協力しながら、全国で年間900回以上の開催を目指している。
また昨年4月には、学校の運動会にインクルーシブな種目「車いすリレー」と「ソーラン節」を導入し、インクルーシブ教育推進の機会を提供する新プログラム「パラサポ!インクルーシブ運動会」を開始している。