東京都教育委員会は、英語教育支援を目的として、都立高校に「DeepL」のAIライティング、翻訳支援ツールを導入した。「AIを活用した英語教育の充実事業」として、4月1日から開始。現在、都立高校15校で、1万人以上の生徒と教職員が、「DeepL Write Pro」と「DeepL翻訳」を英語学習や業務支援に活用している。
この取り組みは、生徒の英語で「書く力」や「思考力」を育成することにより、英語教育の充実を図りとともに教員の業務バランスの見直しを図り、英語教育の質的向上を目指している。
提供元のDeepLによれば、教育分野におけるDeepLの大規模導入では日本初で、東京都が掲げるAI活用促進のための広範な戦略の一環だという。
AI文書作成支援ツール「DeepL Write Pro」は、入力された文章に対し、語彙の選択、文法や句読点の誤り、スペルミス、言い回し、文体やトーンをリアルタイムで修正・提案する。自然で洗練された表現を学ぶことで、生徒の表現力が高まり、書くことへの自信につながる。
「DeepL翻訳」は、30以上の言語に対応し、高い翻訳精度と自然な言語表現を特徴としています。各種ファイル形式にも対応しており、教育者は多言語の教材を提供しやすくなり、生徒は多様なコンテンツにアクセスできるようになり、教室での学習への理解度も深まる。
両ツールは、AIリテラシーの向上と教育現場での業務効率化に貢献し、教員が本来の内容の充実や質的な向上を図る上での「教えること」に集中できるよう環境作りと、生徒の主体的な学びを支援する。
東京都教委・グローバル人材育成部国際教育推進担当課長の宮﨑智氏は、次のように述べる。
「英語は、国際社会で活躍するためには欠かせないスキルの一つです。しかし、これまでは、教員一人あたりの担当生徒数が多く、個別に生徒へリアルタイムにフィードバックすることが難しいという課題がありました。今回のAIアプリの活用を通して、教員の負担軽減に加え、より多くの生徒の『書く力』と『思考力』を高め、自信を持って英語で発信できるようになることを期待しています。今後も、未来を担う子供たちの可能性を広げるために、最新の技術を積極的に取り入れ、最適な学びの環境づくりに努めていきます」。