中東カタールのドーハ日本人学校は、児童生徒による主体的な探究学習の一環として「砂漠に花を咲かせようプロジェクト〜日本とカタールのハッピー花だん!〜」という緑化プロジェクトを立ち上げた。気温45度を超える過酷な気候の中、学校の花壇の再整備や日よけ・自動灌水設備の導入を目指し、子供たち自身が企画・広報・返礼品制作などを担いながら、2025年11月にクラウドファンディングを実施する予定。目標金額は300万円。
ドーハ日本人学校の教員と子供たち
ドーハ日本人学校は、過酷な砂漠気候の中でも緑豊かな学びの場を実現すべく、2025年11月中旬から児童生徒主体でクラウドファンディングを開始する。目標金額は300万円。老朽化した花壇の修繕や自動灌水設備の導入、「フラクタル日よけ」の設置を通じて、学校の校庭を緑あふれる教育空間へと再生する。この取組はクラウドファンディングと総合的な学習を掛け合わせた教育プログラムであり、日本人学校としては珍しい先進的なクラウドファンディング導入事例となる予定。
数年前に設置した日よけ
ドーハ日本人学校の日よけは数年前に設置したが強い日差しにより、布が劣化した状態にある。また、スプリンクラーは強い日差しにより、管が割れるなど過酷な状態にある。2年前に開催された「2023年ドーハ国際園芸博覧会」では子供たちが日本パビリオンを見学。日本パビリオンとその他のパビリオンのサーモグラフィーを観察して、緑が多い日本パビリオンからは圧倒的な涼しさを感じたという。
日本パビリオンを見学する子供たち
日本パビリオン ディレクターの保清人氏のワークショップでは、自然の木漏れ日から発想を得た日よけである「フラクタル日よけ」により、屋外で植物が育った事実を知り、子供たちは緑が育つためには「フラクタル日よけ」が重要ということを学んだ。緑を増やすためには、緑が育つ環境を作る必要があるが、日よけやスプリンクラーを修理する金銭的な余裕もないことから「砂漠に花を咲かせようプロジェクト~日本とカタールのハッピー花だん!~」を立ち上げ、2025年11月からCAMPFIREでクラウドファンディングをスタートする。
保氏によるワークショップ
このプロジェクトにより、子供たちの学習環境の向上やカタールの国家緑化政策への貢献が目指される。子供たちの学習環境の向上について、カタールは高温環境のため理科・生活科における植物観察が困難な状態にあるが、日本と同等の植物観察が可能になることで教育活動の可能性が広がる。また、カタールの国家緑化政策に貢献し、砂漠地帯でも屋外で植物が育つことを証明する。
<クラウドファンディングの目標>
目標金額:300万円
【内訳】
自動灌水設備:約100万円
フラクタル日よけの設置:約150万円
植物購入・土壌改良・用具類:約50万円
<クラウドファンディングのメリット>
①児童生徒の学びに繋ぐことができる
(子供の主体性を育み、教科学習では得られない学びが提供される)
②「日本人学校」の存在が広まる
(日本在住の日本人学校を知らない人から支援が受けられる)
③コミュニティの結束力が高まる
(子供×学校×保護者×日本政府×カタール政府×企業が結束)
④透明性が高い資金調達が可能
(オンラインプラットフォームを通じてプロジェクトの進捗や資金の使途を常に情報開示)
⑤全日本人学校に新たな財政モデルを提示
(現地のみならず日本や他国から多くの支援が見込まれる)
<企画目的>
・学校花壇を修繕することでドーハ日本人学校を多様な植生で満たす
・子供たちに国際的で多様な学びを提供する
・日本と中東の情報・文化の発信拠点となる
<児童生徒が思い描く理想の花壇アイデア>
<プロジェクトスケジュール>
2025年
4月:クラウドファンディングプロジェクトスタート
保護者・運営理事会、日本人会への説明、協力依頼
5月:各チームで制作に取り掛かる
6月:各チームで制作に取り掛かる
7月:クラウドファンディングホームページ修正依頼
8月:(夏休み期間)クラウドファンディングの宣伝
9月:クラウドファンディングホームページ完成
10月:クラウドファンディングホームページ公開・支援の募集準備
11月:クラウドファンディング支援募集開始
12月:活動継続(ラストスパート・カウントダウン)
2026年
1月:クラウドファンディング支援募集終了
2月:集金結果報告・返礼品の作成