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日本人の英会話力、6割以上が「挨拶・簡単な自己紹介レベル」「話す」練習せず、対人コミュニケーションの実践経験に課題〜イーオン調べ

2025年8月31日

イーオンは8月26日、7月に全国の16歳から69歳までの男女1,000人を対象に実施した「英会話」に関する意識調査の結果を公表。英会話力について、多くの日本人が挨拶・簡単な自己紹介レベルにとどまっていることや、英語で話すときに緊張や不安を感じていることなどが明らかになった。

 

■「挨拶・簡単な自己紹介ができるレベル」に留まる日本人の英会話力、実践的なコミュニケーションへの移行が壁に

現在の英会話力について、近いと感じるレベルを尋ねたところ、1位「挨拶・簡単な自己紹介ができるレベル(60.8%)」、2位「カジュアルな会話をすることができるレベル(9.2%)」、3位「趣味や好きなことについて話すことができるレベル(8.6%)」という結果になった。多くの日本人の英会話レベルは、英語学習の入り口である「挨拶・自己紹介」レベルに留まっており、実践的な会話や、特にビジネスや専門的な場面での英語力を習得している人は限られている現状がうかがえる。

 

 

今後、英会話力をさらに高めたいと思っているかについては、「強くそう思っている」「ややそう思っている」と回答した人の割合は合計で約7割に上る。また、現時点での英会話に関する目標レベルを尋ねたところ、「海外旅行や短期滞在で、困ることなく英語でコミュニケーションを取れるレベル」が最多となり、日常会話レベルでの実践的なコミュニケーション能力の習得を目指していることが明らかになった。

 

 

 

 

■英会話の課題1位は「言いたいことがすぐに口から出てこない」、状況に応じた柔軟なコミュニケーションスキルや自信の欠如も浮き彫りに

英会話において課題だと感じる点を尋ねたところ、1位「言いたいことがすぐに口から出てこない(38.0%)」、2位「相手の英語のスピードについていけない、または聞き取れない(27.0%)」、3位「英語を話すことに緊張や不安を感じる(11.2%)」となった。この結果から、会話に対する瞬発力やリスニング力、そして英語を話すことへの自信といった、実用的な英会話スキルに不可欠な要素が課題となっていることがうかがえる。

 

 

 

英語での会話中、言いたいことを考えている間に会話が進んでしまうと感じることが、「よくある」「時々ある」と回答した人は合計で86.1%。多くの人が会話のスピードについていくことや、自分の意志を即座に伝えるコミュニケーションスキルが不足していることがわかった。

 

 

 

予想外の話題や雑談になったとき、会話が続かないと感じることが「よくある」「時々ある」と回答した人は合計で80.3%。定型的な会話から一歩進んだ、より柔軟なコミュニケーションスキルや、状況に応じた対応力に課題を抱えていることが浮き彫りに。

 

 

 

英会話の課題全体では、11.2%の人が最重要課題として「英語を話すことに緊張や不安を感じる」と回答したことがわかったが、英語で話すとき、緊張や不安を感じるか尋ねたところ、「よくある」「時々ある」と回答したは合計で81.1%という結果になった。また、英語での会話中に集中力が切れたり、頭が真っ白になることはあるかという問いに対して、「よくある」「時々ある」人の割合は合計で72.1%となり、英語コミュニケーションにおける心理的ストレスやパフォーマンス阻害の課題に直面していることが明らかになった。

 

 

 

 

■日本人は実際の対人コミュニケーションの実践経験が少ないことが課題か

英会話スキルの習得にあたり、「学習(単語や文法の知識吸収)」「訓練(単語や文章の読みあげ)」「実践(実際の対人コミュニケーション)」の各項目に対して今まで力を入れてきたか尋ねたところ、「学習」に対して「とてもそう思う」「ややそう思う」と回答した人は合計で55.9%と最も高い結果となった。一方で、「実践」に対して「とてもそう思う」「ややそう思う」と回答した人の割合は合計で40.5%と、「学習」と比較して約15ポイント低い結果となり、多くの英語学習者が知識のインプットに重きを置いてきたものの、実際の対人コミュニケーションを通じたアウトプットの優先度は低い傾向にあることがわかった。

 

 

 

普段、英語を「話す」練習をどのくらいの頻度でしているか尋ねたところ、1位「ほとんどしていない(61.6%)」、2位「月に数回以下(15.5%)」、3位「週に1回程度(10.2%)」という結果に。また、英語の知識(単語、文法など)を実際の会話の中でスムーズに使いこなせていると感じるか尋ねたところ、合計で8割以上が「あまりそう思わない」「まったくそう思わない」と回答していることも明らかになり、インプットした知識をアウトプットする「話す」機会の不足は、実践的な英語力を習得する上で大きな障壁となっていると考えられる。

 

 

 

 

 

■上智大学言語教育研究センター教授の藤田保氏のコメント

上智大学言語教育研究センター教授、センター長 藤田保氏

この調査結果からまず読み取れるのは、日本人が「使える英語」に強いコンプレックスを抱いているという現実です。特に、自分の英語力に対する自己評価が極端に低く、「趣味や好きなことについて話せる」と自信を持って言える人がわずか8.6%という事実がそれを示しています。これは小学生が習うレベルの英語でもあるのに、「I like cats. They are cute.」といった簡単な表現すら自分にはできないと感じている人が多いことを示唆しています。

しかし実際には、能力や知識がないのではなく、自信がないことが問題の本質です。英語の語彙や文法を学んでいても、それを実際に使う経験や機会が乏しければ、習得した知識も活かされません。また、英語学習が正解・不正解にこだわる完璧主義に支配されているため、少しでも間違えることを恐れ、話すこと自体をためらってしまう傾向があります。たとえば、「これはいくらですか?」の代わりに「これいくら?」と聞く程度の表現でも十分伝わるのに、正しい文で言えないから「話せない」と思い込んでしまうのです。

さらに問題なのは、学習の目標が明確でない人が多いことです。「とくに目標はない」が3番目に多いという結果からも分かるように、目的がなければ何をどう学ぶべきか見えてきません。一方で「自分のことを話し、相手のことを理解して人間関係を築きたい」と考える人が多くいることから、まずはこのレベルを目指すのが現実的で効果的です。
そのためには、まず自分が既に持っている英語の知識に気づき、自信を持つこと、そして新しい知識の習得よりも、今ある知識を積極的に使うことを意識しましょう。知っている単語を並べるだけでもコミュニケーションは可能です。加えて、普段からさまざまなことに興味を持ち、話す「ネタ」を増やすことも重要です。語彙や文法があっても、話す内容がなければ会話は成立しません。

完璧を目指さず、できるだけ多く英語を使う場を設けることで、自然と自信がつき、使える英語力も向上します。使えば使うほど、正確さや表現力も磨かれていくのです。

 

株式会社イーオン

 


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