公財・山田進太郎D&I財団は9月25日、7月から8月にかけて開催した中高生女子向け STEM(理系)領域のツアー型体験プログラム「Girls Meet STEM」2025 夏ツアーについて概要をまとめた。
今回、7月19日〜8月31日の期間中、首都圏・関西圏・東海圏を中心に企業93件・大学19件・高等専門学校3件、計115件のツアーを開催し、のべ約2,500人の中高生女子が参加。
アマゾン ウェブ サービス ジャパンやZOZOといったIT・デジタルサービス企業、キヤノンや三菱電機などの電機メーカー、サッポロビールなどの食品・飲料企業、大阪大学や神山まるごと高専、法政大学といった教育機関まで、幅広い分野の企業や団体・大学・高専が参画した。参加者はSTEM領域の仕事や学びが社会でどう生かされているかを知り、将来の進路を考えるきっかけを得た。
同財団によると、参加者の61.8%はまだ文理選択前で、体験後に「理系進学を考えたい」と答える割合が16%上昇するなど、進路選択に大きな影響を与えているという。同財団では2025年秋から冬にかけても複数のツアーの開催を予定している。
◎NVIDIA
最新のAIのデモやGPU製品に触れる体験を楽しみ、社員との交流で進路選択のヒントを得た生徒たち。「AIやその仕組みについて知れてよかったと思った。」などの声が挙がった。
◎楽天グループ
生徒たちは楽天クリムゾンハウス(本社)を巡り、国際色豊かな職場環境を体感。女性エンジニア3人がキャリアや文理選択の経験を語り、質疑応答も活発に行われた。
◎荏原製作所
「プールの水を1秒で空にできるポンプ」や、普段は見られないポンプの内部構造をVRで体験した後、女性社員が進路や仕事に関する質問に回答。生徒たちが将来を考えるヒントにつながった。
◎明治(大阪)
明治なるほどファクトリー大阪で「きのこの山」の製造工程を見学して、ものづくりの魅力を体感。女性社員との座談会の後は「理系もいいなと思った」など、理系進路に前向きな声が出ていた。
◎小島組(愛知)
名古屋港で普段は入れないグラブ浚渫船を見学。船内生活や施工デモを体験し、女性技術職員との対話を通じて港湾土木の魅力に触れた。
◎関西電力・関西電力送配電(大阪)
中央給電指令所を訪れ、電気の安定供給を支える司令塔を間近で見学。発電・建築・IT・送配電の部門で働く若手技術系女性社員がキャリアや理系選択の経験を語り、活発な質疑応答が行われた。
◎東京女子大学
情報数理科学科で、情報科学・AI・数学・自然科学の4つのゼミを紹介。生徒たちや保護者が研究の最前線に触れ、大学での学びを具体的にイメージする機会となった。
◎名古屋大学(愛知)
210人超の応募で会場とオンラインのハイブリッド開催に。研究室見学や質疑応答を通じ、参加した生徒からは「進学のモチベーションが高まった」など、前向きな声が多数寄せられた。