東京都千代田区は、区立全小中学校に教育生成AIサービス「AI+Me」を9月から順次導入している。AI+Meは、学校現場の声をもとに設計された学校専用の生成AIサービスで、提供はアルサーガパートナーズ。本取り組みは、自治体として全小中学校に生成AIを展開する先進的な試みとして、教育現場における生成AIの活用促進を目指すものだ。

千代田区では以前より生成AIの業務利用に関する検証を行い、その成果をもとに「生成AI活用ガイドライン」を策定するなど、全区的なAI利活用の基盤を整備。2024年には千代田区立九段中等教育学校に特化した生成AIツール「otomotto」をアルサーガパートナーズと共同開発している。
AI+Meは、実際の学校現場の声から生まれた教育専用の生成AIサービスで、教員や児童・生徒が安心して生成AIを活用できる環境を整えることを目的としている。AIとのディスカッション機能や、複数のLLM(大規模言語モデル)を比較しながらプロンプト活用を学べる設計など、学校現場に特化した構成となっている。
9月から順次導入が始まっており、すでに区立小中学校全校の教員および中学校全校の生徒の利用が開始している。2026年4月以降、全区立小学校5、6年生で利用開始予定。
AIは今や社会のあらゆる分野で活用されており、子供たちが将来、主体的に社会参画するためには、AIを「使いこなす力」や「AIと共生する力」を身につけることが不可欠です。授業で生成AIを活用する取組は、Society5.0時代を生きる子供たちにとって、極めて重要な意義をもつものと認識しています。
今回の「AI+Me」全校導入により、児童が自ら課題を設定し、AIを活用して正確な情報を収集・整理・発信する学習活動を推進していきます。単なる知識の習得にとどまらず、創造的な思考力や問題解決力、協働的な学びの深化、リテラシー教育の推進を図っていきます。