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小・中女子の体力過去最高 スマホ等視聴時間増加<スポーツ庁 体力・運動能力等調査>

2019年10月28日

同調査は全国の小学校5年生、中学校2年生を対象に平成30年4~7月に実施。握力、反復横跳び、50メートル走、ボール投げ等の実技、運動・生活習慣等の質問に回答した結果をまとめたもの。

体力テストの合計点をみると、小5男子が54・2で前年と同じ、20年度からもほぼ横ばいだった。中2男子は42・2で前年比0・2となりわずかに上昇した。

女子は小5が55・9で前年比0・2増。中2は50・4で前年比0・6増。小・中共に女子は調査を始めた平成20年度以降で最高値だった。

■小5女子は運動量不足

WHOが推奨する子供・未成年者の運動量は<1日当たり60分の中~高強度の身体活動を毎日行うこと>で、これを基準に、体育の授業を除き週当り運動量420分以上の割合は、小5男子が54・0%で過半数だったが、女子は30・6%で3分の2は運動不足気味だった。中2では男子83・9%、女子61・5%、男女とも過半数だった。

体力合計点は運動量に比例して高い数値だった。週420時間以上の小5男子の体力合計平均値が57・9に対して、420分未満は49・8。女子は60・3に対して54・0。中2も同様の傾向だったが男女共10ポイント以上で大きな差があった。

■映像視聴時間は増加

テレビ、DVD、ゲーム機、スマートフォン、PC等の映像視聴時間が1日2時間以上の小5男子は57・4%で、前年51・4%より増加。また女子は今年46・3%で前年41・4%より増えた。中2も同様の傾向で、男子61・8%(前年56・5%)、女子58・9%(同55・4%)だった。

1日3時間を超える視聴時間の児童生徒の体力合計点は、小5男女、中2男女共に全体平均値より低かった。

■健康三原則すべて大切

「運動・食事・睡眠」(健康三原則)のすべてが大切だと思う児童生徒は、それ以外の子供に比べ体力合計値、週当り運動量が420分以上の割合が高かった。さらに朝食を毎日食べている割合は、小5男子87・6%(それ以外:73・3%)、女子87・4%(同:75・2%)、中2男子85・5%(72・8%)、女子83・4%(同:69・3%)。いずれの層も10ポイント以上の差がみられたうえ、特に中2女子では14ポイントと大きな開きがあった。

「健康三原則」が大切だと思う人ほど運動・朝食摂取を実践

「健康三原則」が大切だと思う人ほど運動・朝食摂取を実践

運動の日常化や家庭
地域と連携を工夫
実践事例報告より

児童・生徒の体力向上のための取組について、同調査の小・中・特別支援学校、教育委員会での事例を、以下の通り抜粋して紹介する。

▼運動習慣の環境作りを家庭にも情報発信

岩手・西和賀町立湯田小学校は、登校時間などを利用して運動習慣を身につける場を設定して運動機会を増やす取組を行い、教員が指導法などを学び合う学習会を定期的に開催し、体育の授業の充実を図っている。

またより良い環境作りのため、家庭で外遊びや睡眠を心掛けることについて、学校だよりや懇談会などを通して情報発信し呼びかけている。

これらの取組を通じて、体力合計点の総合評価でA・B・C段階の児童の割合が岩手県の目標である80%を4年連続で上回るとともに、肥満傾向の児童の割合も年々減少している。

▼生活カードで日常と目標を自身で管理

山形市立高瀬小学校は、児童各自が起床・就寝時刻や朝食の有無等生活習慣を年間5回『スッキリさわやか生活カード』に記録することで、1週間の生活を見える化。学校目標や自分の目標と照らし合わせて、保護者と生活習慣を見直した。

また運動の日常化を図るため、毎週水曜日の業間休みに、フープや缶ぽっくりを使った「投げる」「走る」などの運動遊びの場を設定。児童が自身の生活習慣への意識が高まるとともに、20mシャトルランや50m走のテスト項目では、顕著な伸びが見られた。

▼新部活を創設し運動の習慣化に一役

大阪・高槻市立第九中学校は、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」や授業アンケートなどの結果から生徒の課題を明確にし、生徒のニーズに合わせた新たな部活動「体力アップクラブ」を立ち上げた。

この部活動では、どの生徒にも運動ができる機会を提供し、自主的・自発的な活動を基本に、無理なく続けられ、楽しみながら取り組める内容となるよう助言しながら、補強運動やなわ跳び、ストレッチなどを始め、バドミントンやテニス、バスケットボールなどのスポーツを行っている。

これらの取組を通じて、習い事をしている生徒や運動が苦手な生徒にも、自分自身で立てた計画を地道に実践していくことで、運動の習慣化につながってきている。

▼達成感につながる「京盲サーキット」

京都府立盲学校(小学部)は体験的な学習を通して体力の維持増進、技能の向上を図り「できた」という感覚を養う「京盲サーキット」を考案。1学期は多様な動きをイメージさせるためのマットや平均台・鉄棒などの活動を行い、2学期には1学期の活動に加えて跳び箱などの活動を行い体力向上を図った。3学期はこれまでの活動に加えてフロアバレーやサウンドテーブルテニスなどを行っている。

これらの取組を通じて、達成感から嬉しさ表現することが増え、児童同士の関わりや主体的に活動する児童の増加、自己肯定感を高めることにつながっている。

▼体育専科を配置し地域とも連携企画

北海道教委は「運動が苦手な子どもや運動時間が少ない子どもへの働きかけ」のため、道内の各地域に体育専科教員を配置し、体育授業及び体育的活動の改善・充実を図っている。

学校だけでなく家庭・地域もつなげ、短なわ跳び全道大会、「どさん子元気アップチャレンジ」を実施。さらにスポーツ団体と連携して、ダンスエクササイズやなわ跳びの技の動画を作成し配信している。これらの取組を通じて、体力合計点が小中学校の男女いずれも上昇。1週間の総運動時間が60 分未満の児童生徒の割合が減少した。

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2019年10月28日号掲載

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