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第72回 【教職員のメンタルヘルス】教員が子供を「受け入れる」とは

2020年11月16日
連載

私が中学校教諭になって3年目頃。当時中学2年生の担任をしていた私は、日課の「子供を迎える準備」を行っていました。毎朝、出勤後にまず生徒玄関へ行き、下駄箱の掃除から始まり、教室内外の簡単な整理整頓等を行うことで、子供たちが気持ちよく朝のスタートを切れるようにするための準備。隣のクラス担任だった今は亡きH先生(私にとっては教師のイロハを教わった恩師)の行動を模倣したものでした。

ある日、いつものように教室の整理整頓を行い、流し場でH先生と一緒にモップを絞っていると、H先生は次のように囁きました。「相変わらず、おまえは子供に冷たいな」。その時は聞き流してしまいましたが、後になるほどその言葉が心にひっかかり、その言葉の意味を考えてみましたが、自分の中で納得いく答えが見つかりませんでした。

H先生のクラスの生徒は朝清掃を楽しそうに手伝っているし、休み時間や放課後になると、反社会的傾向の強い生徒たちが、H先生の元に近寄ってきて、毒づいたりちょっかいを出すのです。それに対してH先生が言いたことを返しても、子供たちは決して反発などをしないばかりか、嬉しそうな表情をしながら立ち去っていくのです。

■子供への接し方に疑問

その一方で私は、毎日一人ぽつんと朝清掃をやっており、自分に接触してくる子供といえば、部活動関係の生徒がほとんど。「子供に冷たいな」の言葉とともに、あの“個性的な子供たち”となぜ気さくに話ができるのだろか?という疑問が私の中で日に日に大きくなっていきました。

1か月が経過した頃、どうしても「子供に冷たい」という言葉の意味を知りたくなった私は、朝清掃をしているH先生に思い切って尋ねてみました。すると次のような答えが返ってきました。

「子供はなぜ教師の言うことをきくようになるかわかるか?」。「子供は普段から自分の話を最後まで聴いてくれる先生だから、きこうかなという気持ちになるものだ」。「普段から子供に話しかけ、一緒に行動し、面倒見てやることは、多大なエネルギーや忍耐力を要するが、今まで子供の面倒見て来た時間の積み重ねがあるからこそ、いざという時に子供に対して遠慮なく自分の思いを伝えられるものだ」と諭すように教えてくださいました。

■子供受け入れる覚悟

自分の言いたいことを子供に伝えるためには、ある程度、子供の「ありのままの姿」や「理不尽な振る舞い」も受け入れる覚悟が教師には必要です…といってもこれも程度問題ですが。しかしなかなか難しいようです。

例えば、教育相談員の地道な努力で、不登校だったA君がやっと修学旅行に参加の意思を表明しました。でも学級担任が「修学旅行までに3回登校出来たら連れて行ってやる」という条件付きの愛情を示され、再び学校から遠ざかってしまいました。

最近「子供が何回言ってもいうことを聞かない」という教員の愚痴をよく耳にします。ただ毎日、同じことを繰り返し怒っている教師と、「しょうがないなあ、出来るまで待っていてあげるから」という思いを半分持ちつつ、同じ事を忍耐強く言い続けている教師とでは、子供が担任に対して抱く安心感には雲泥の差が生ずるようです。

また、教師が子供と約束をする際には「守るのが当然である」という前提がありますが、子供の中には「約束を破りながら成長する」子供もいるのではないでしょうか(こういう考え方も出来る教員に)。毎日同じことを怒鳴るのも、時には子供に裏切られるのも、教師の給料の一部に入っていますから(笑)


 筆者=土井一博(どい・かずひろ)順天堂大学国際教養学部教職課程客員教授、教職員メンタルサポートネットワーク協会代表、埼玉県川口市教育委員会教職員メンタルヘルスチーフカウンセラー

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2020年11月16日号掲載

教職員のメンタルヘルス

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