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ニジマス教材にSDGs学習 給食で味わい美味しく完食~東京・葛飾区立清和小学校で特別授業&特別給食

2021年2月16日
養殖場のニジマスを見せながら、尾びれの形状などの特徴を解説するニジマス博士(右)

養殖場のニジマスを見せながら、尾びれの形状などの特徴を解説するニジマス博士(右)

全国養鱒振興協会は1月21日、小中学校などを対象に毎年実施している「ニジマス特別授業&特別給食」を東京・葛飾区立清和小学校(鷲見二朗校長)で行った。授業には、同協会の小堀彰彦会長理事が「ニジマス博士」として登壇。同校4年生2学級58人の児童がニジマスを通じたSDGsの学習に取り組んだ。ニジマスは全校児童の学校給食にも提供され、好評だった。

ニジマスの生態や種類
実物を見せながら紹介

どれがニジマスの養殖場の水か当てる ため、色やにおいを観察する

どれがニジマスの養殖場の水か当てるため、色やにおいを観察する

葛飾区は来年度からSDGsの教育を推進していく方針。これに先立ち、同校の佐藤寿子栄養教諭は今年度からSDGsを授業に取り入れている。今回のニジマス授業の実施にあたり、事前学習として児童はSDGsの概要を学んだ。ニジマス授業はその中でも特に目標2「飢餓をゼロに」、12「つくる責任、つかう責任」、14「海の豊かさを守ろう」を意識させ、ニジマスが育つ自然の環境や、食べ物をムダにせず食べることについて考える機会とした。

授業の導入では、佐藤教諭が児童に「ニジマスがどんなところに住んでいると思うか?」と問いかけた。児童は「淡水」「天然水」「冷たい水」「水がきれいなところ」等と予想。そこで用意してあった養殖場の水・同校の池の水・水道水をグループごとに配布。養殖場の水は愛知県の沢の水が運ばれてきたものだ。児童は3つの水の色やにおいを観察し、ワークシートに記入。各自でどこの水なのかを考えた。特に養殖場の水と水道の水は臭いがあまりなく、区別が難しかったようだ。

ニジマス博士は「魚が生息できる水と人が飲む水は、どちらもきれいだが、水道の水は消毒のため塩素が入っており、ニジマスは生きられない。ニジマスは、川の上流のプランクトンなどが少ない、冷たくてきれいな水で育つ。そうした水質の違いを知ってほしい」と解説した。

太平洋サケ属のニジマスの近縁の仲間は、シロサケ・ヤマメ・ベニザケ・キングサーモンなどだ。ニジマスは日本では1877年から養殖が始まった。成長期の子供の食材としても最適で、高タンパク質・低カロリーでビタミン群が豊富であるほか、DHAも摂取できる。

残菜はごくわずか
食品ロス削減へ

給食で登場したのは「ニジマスの西京焼き」。肉厚で味わい深く児童も完食

給食で登場したのは「ニジマスの西京焼き」。肉厚で味わい深く児童も完食

当日の学校給食には、同協会から切り身の国産ニジマスが全校児童に提供された。献立はニジマスの西京焼き、鶏ごぼうごはん、小松菜ともやしのおひたし、かきたま汁、スイートスプリングス(柑橘)、牛乳。ニジマスの西京焼きの西京みそはショウガの効いた味付けで、味噌などの割合は佐藤教諭が調合している。新型コロナウイルス感染症対策で静かな給食時間。美味しそうに、素早く完食する児童が多く見られた。

学校給食を美味しくする工夫について佐藤教諭は、「口中調味も考え、ご飯の味は薄めにし、他の惣菜の味をしっかり感じられるようにしている」と説明。「普段の献立でも、麺類の汁まで飲める塩味に調整し、児童が全て食べられるように塩分を計算して味付けをすることでも食べ残しが減る」と語る。

同校の残菜率は1か月平均で約11%。児童の体格などそれぞれの適量で配食し、なるべく全てを配り切るよう各学級担任に伝えており、教員も各学級で工夫し取り組んでいる。

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2021年2月15日号掲載



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