文部科学省は全国の都道府県・市区町村教育委員会を対象に、学校給食への有機農産物の使用促進と食の指導充実に関する先進事例を設ける目的で、調査研究を5月末まで募集している。委託額は1件当たり上限680万円、募集は5件。委託期間は今年度末まで。
学校給食に有機農産物等を活用することは、地域の食文化・産業への理解や生産者への感謝の気持ちを育み、環境負荷低減や持続可能な食料生産の促進等に対する子供たちの理解を深める意義がある。その一方、有機農産物等は学校給食に必要な量を確保することが難しいことから、関係者間で頻繁に協議を行う必要があるなど、現状では課題も多い。
受託教委は、連絡調整を担うコーディネーターを配置することで円滑で安定的に有機農産物等を活用するための連携モデルを構築することが期待される。さらに給食調理場で、納入された有機農産物等の加工に必要な調理器具や調理員の配置方法、納入規格を満たして納入させるために必要な生産者や加工事業者との契約等について調査研究を行う。
また食の指導に関する面では、農業体験等の機会を設け、例えば収穫した野菜等を学校給食に活用するなど、子供たちが生産から消費までの流れを一貫して学習できる指導モデルを構築。併せて、全国の学校に展開することができるような指導資料や教材案を作成することが求められる。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年5月19日号掲載