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教育ICT

【新連載】デジタル・シチズンシップと著作権教育 <1>「著作権」を理解する

2019年9月10日
35条改正&学校教育

「クリエイティビティ」発揮に必要な著作権理解

社団法人コンピュータ 一般ソフトウェア著作権協会(ACCS) 専務理事・事務局長 久保田 裕

一般社団法人コンピュータ
ソフトウェア著作権協会(ACCS)
専務理事・事務局長
久保田 裕

2018年5月18日、「著作権法の一部を改正する法律」が成立し、同年5月25日に公布された。法改正のうち学校教育に関連する事項については、教育の情報化に対応した権利制限規定等の整備が行われた。これは、ICTの活用により教育の質の向上等を図るため、学校等の授業や予習・復習用に、教員は他人の著作物を用いて作成した教材を、ネットワークを通じて生徒の端末に送信する行為等について、許諾なく行えるようになるものだ。改正法は2021年5月25日までに施行される予定だ。

加えて、デジタル教科書の使用を可能にする学校教育法等の一部を改正する法律が、2018年5月25日に成立。2019年4月1日に施行された。

これらの法改正は2020年度から実施される新学習指導要領を踏まえた教育の情報化に対応するためのもので、今後は、文章や写真、イラストや音楽や映像など、他人の著作物を含む教科書や教材の活用がより容易になる。ただし、教育利用目的ならばすべて自由に行えるようになるというものではない。また、AIが活用される現代において、次代を担う子供たちがクリエイティビティを発揮するためにも、著作権の理解はよりいっそう重要になる。そこで、本連載では、デジタル・シチズンシップとして理解すべき情報社会と著作権法の動向について解説する。

キーワードは
「創作」と「情報」

さて、皆さんは著作権の基本的なルールをご存じだろうか。

著作権とは、作品(表現物)を創作した者(著作者)に与えられる、その作品の利用について、自分が自由に決めることができる権利の総称である。

著作権で守られる表現物が「著作物」だ。著作権法では「思想または感情を創作的に表現したものであって文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するもの」とされている。具体的には、小説や詩などの言語で表現されたもの、絵画、版画、彫刻、漫画などの美術作品、映画、ドラマ、アニメーション等の映像、地図や図形、写真やコンピュータプログラムなどが挙げられる。

著作権理解の第一歩は「著作物」と「創作」を理解することにある。

著作権は、著作物を創作した瞬間に発生する。登録や届出などの特別な手続きを行う必要がない。著作者は、自分の著作物を他人に利用させるか否か、そしてその条件を決めることができる。

ここでいう「利用」の範囲は著作権法に定められている。例えば、他人の著作物をコピーして利用したり、インターネットなどで公開したり、公に上演・演奏・上映したり、他人の著作物に創作的に手を加えて新たな著作物を製作したり、改変を加える場合などには、著作者の許諾を得る必要があり、勝手に利用することはできない。

なお、私的に利用する目的で他人の著作物を複製する場合など、著作権法には著作者の許諾を得ずに利用できる「例外ルール」がある。著作権法の今回の改正点である学校その他の教育機関での複製などについて定められた著作権法第35条もそのひとつだ。

著作権には保護期間が定められており、保護期間が経過した後は、その内容を変えない限り、誰でも自由にその著作物を利用できる。保護期間は、個人の著作物の場合、著作者が創作した時から、著作者の生存中および死後70年。団体名義や映画の著作物は公表後70年となっている。

次回は、現行著作権法第35条について、利用が可能な著作物の範囲と利用方法について解説する。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2019年9月9日号掲載

デジタル・シチズンシップと著作権教育

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