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教育ICT

1人1台PC配備で回線増強 センターのインターネット回線を3本へ<戸田市教育委員会教育総務課主幹・榎本好伸氏>

2021年2月1日
第73回教育委員会対象セミナー・東京
戸田市教育委員会教育総務課主幹・榎本好伸氏

戸田市教育委員会教育総務課主幹・榎本好伸氏

戸田市ではGIGAスクール構想以前から「学校ICT環境整備計画」に基づき、教育現場へのICT機器の導入を進めてきた。ICT機器の選定にあたっては学校現場で効果を検証。学校が本当に必要としているものを、エビデンスに基づいて予算を確保してきた。そうした戸田市が取り組んできた教育改革についてGIGAスクール構想を中心に話した。

――――――◇――――――

11PC配備 今年度末に終了

201912月にGIGAスクール構想の前倒しが発表され、児童生徒に11台のPCと高速ネットワーク環境の整備が進められている。

戸田市では、それに先駆けて2016年に全18校にWiFiを整備。2016年~17年に児童生徒用PCとしてChromebookを検証し、2018年は小学校に2000台、2019年は中学校に1080台を整備した。

202010月の段階で、学習者用PC3人に1台程度配備、教員用PCは指導用と校務用を1人につき2台配備している。

今後、児童生徒11PC配備に向けて「ChromeOS1162in1」を2020年度末までに、計7680台追加で配備する。学習者用PC環境は、小学校12年生は共有PC、小学校3年~中学校3年は個人PC11台)となる。

■インターネット回線を増強

ネットワーク回線は全学校に1Gbpsで接続していたが、児童生徒用PCが増えてインターネットの利用が急激に増え、帯域制限が頻繁に掛かる事態となった。2020年度末にはGIGAスクール構想によるPC増加を控えており、一刻も早いインターネット回線の増強が急務とされた。

そこで、機器設定のセッション数の細かなチューニングや利用するサービスによる経路変更等に加え、1社専有型光のベストエフォート回線を複数本束ねて増強することで問題に対処。インターネット回線は1Gbps×2本に増強した。今後はこれを3本に増強できるよう準備しているところだ。幹線は10G対応を考えている。ローカルブレイクアウトは選択しない。

充電保管庫は、出し入れの容易さや輪番充電、長期利用を見越した保守体制などをもとに選定。また、20208月、戸田市はゲリラ豪雨に見舞われ、学校のネットワークが雷による被害を受けたことから、急遽、サージ対策を充電保管庫のチェック項目に加えて選定した。

■校務環境も改善

校務環境の高度化にも着手。

統合型校務支援システム「EDUCOMマネージャーC4th」と学校向け保護者連絡ツール「C4th HomeSchool」を導入するなど、校務、学籍、成績処理、保健管理に加え、ICカードを使用した出退勤管理や、スマートフォンを使った保護者への緊急連絡やアンケートなども実施している。

WiFi環境を高度化

WiFi環境の高度化に向けては、市内の公共施設20か所に、公衆無線LANサービス「いいとだスポット」を設置。同様に小中学校18校にもWiFiモードセレクターを設置した。

平時には教育用インターネットとして使用し、災害など有事の際は00000JAPANとして利用。

00000JAPANは災害時に公衆無線LANを誰でも利用できる災害用のネットワークとして無料開放される。

■高速カラープリンターで印刷業務を改善

印刷業務も改善。従来は、印刷に多大な時間とランニングコストをかけてきたが、教員の働き方改革の1つとして印刷業務の効率化を検討。高速インクジェット複合機の検証を始めた。

結果、高い有効性が判断できたとして、学校現場に高速インクジェット複合機「LX10000F」を導入。

ランニングコストは従来の3分の1となり印刷時間が月625時間削減された。

■より多くの子供にスポットがあたる

新型コロナ感染症拡大による休校時には、4月に各家庭の端末や通信環境を調査。必要な家庭にPCを貸し出し、オンデマンド型の動画配信や双方向によるオンライン学習が行われた。

こうした取組は、2年前から日々の授業でICTを活用してきたから実現できた。

授業では、デジタルで子供の考えを集約し、それをもとに個別指導に活かし、全体で考えを深める場面での使用が進んでいる。

これまでの授業スタイルでは、挙手をした子供だけが活躍する場面が多かったが、より多くの子供にスポットライトが当たるようになった。

■遠隔会議システムでオンライン授業参観

休校期間中の各校の創意工夫による取組は、遠隔会議システムの利用の増加につながった。

これまでも海外との交流は定期的に行われていたが、遠隔による研修や集会、授業の配信など様々な実践につながっている。

オンラインでの授業参観も行われるようになった。保護者が海外に赴任しているなど、どうしても学校に来られないケースもあり、オンラインの授業参観は好評だ。

課題もある。家庭でのオンライン学習において、教員は学習者の思考状況が把握しにくく、タイムリーなサポートが難しい。オンライン学習では、学習者の緊張感やモチベーションの維持が必要で、特に小学校低学年では保護者のサポートも必要。これらの課題改善に向け、さまざまな取組を積極的に行っていく。【講師】戸田市教育委員会教育総務課主幹・榎本好伸氏

【第73回教育委員会対象セミナー・東京:2020年12月2日】

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2021年2月1日号掲載

  1. 文部科学省 初等中等教育局 初頭中等教育企画課 学びの先端技術活用推進室室長・桐生崇氏
  2. 戸田市教育委員会教育総務課主幹・榎本好伸氏
  3. 渋谷区立笹塚中学校校長・駒崎彰一氏
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