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図書館

日本学校図書館学会が研修講座 司書教諭と学校司書が連携した事例を紹介

2018年8月20日

日本学校図書館学会主催による「2018学校図書館研修講座」が7月28日、東京・荒川区立赤土小学校で実施された。司書教諭と学校司書の連携をテーマとした、小学校2校と中学校1校の実践事例の発表が行われた。

小学校の実践事例 開館時間を工夫する

東京・大田区では学校司書を「読書学習司書」の呼称で平成28年度から配置を開始。今年度中には全小中学校(小学校60校、中学校28校)の配置が完了する予定だ。

大田区立池上第二小学校では、自主的に学校図書館へ本を借りにいく児童が少なく、休み時間は外遊びを奨励していることから、放課後の学校図書館の開館時間を低学年は14時30分まで、高学年は15時30分まで利用できるよう読書学習司書の滞在時間を工夫した。

国語の教科書と関連図書を活用し、より効果的な「読みの力を高める」学習展開で授業の充実を図る。教科書+関連図書の単元を平成29年度は各学年で2つ設定、30年度はさらに1つ開発する。

図書クイズで学ぶ目次や索引の活用

世田谷区では、平成27年度から(株)リブネットが学校図書館運営に参入した。

世田谷区立桜小学校では、月1回、司書教諭(図書主任)、学校図書館司書、リブネット1名、学校長(学校図書館長)のミーティングを行っている。毎年3年生を対象に行っている「図書クイズ」は、しおり型に作成したクイズを、出題する本に挟み、児童が興味のある本を手にとる。クイズの答えを本の中から見つける活動を通じて、目次や索引の使い方を身に付ける。さらに自分たちで「虫クイズ」を作成する。この実践を行った児童が5、6年生になった時に図書資料で調べることが上手になっているという。

なお蔵書を更新すると図書クイズの内容も見直す必要があり、学校図書館司書が対応している。

中学校理科の授業はキャリア教育の観点も

荒川区立第三中学校はキャリア教育の視点から、教科に関わらず、授業内容に応じて学校図書館を活用した授業改善を意識化している。今回、理科教諭で研究主任の斉藤隆薫教諭が発表を行った。

1年『「植物の世界」第3章植物の分類』の単元で、生徒は移動教室で訪れた清里で植物を撮影。その写真をもとに植物を特定する。図書資料は西岡薫学校司書が70冊以上を準備。1つのサイトや書籍だけでなく、複数の書籍も活用して情報を照らし合わせることで、確かな情報が得られることを学ぶ。写真、イラスト、情報を比較し情報分析力を育成する。

利活用の実際について県や自治体の調査必須

日本学校図書館学会研究副委員長を務める帝京大学・鎌田和宏教授は、「学校図書館を利活用した授業の現状と課題」と題し講義を行った。

学校図書館を利活用した授業について、具体的な調査を行っている地域は少なく、先進地域に限られている。今回は鳥取県、島根県、島根県松江市、東京都荒川区の事例を参考に検証した。

鳥取県の「とっとり学校図書館活用推進ビジョン」(平成27年度)資料編に「学校図書館授業利用調査結果」として全小・中学校、高等学校、特別支援学校の学校図書館についての調査結果を掲載。年間計画の策定の有無や、授業計画通りに活用されているかどうかなどをまとめている。26年度に図書館資料を活用して授業を行った教員の割合は、小学校が73・5%、中学校では55%。

荒川区は公立学校における学校図書館利用状況調査を実施。平成27年度の利用時間は、1学級あたり、小学校51・7時間、中学校15・6時間の計算になる。小学校では読書指導約45%、学級での利用約30%、教科等での利用が25%、中学校では読書指導約7・5%、学級での利用約31%、教科等での利用61・4%。

鎌田教授は「調査は学校図書館の利活用についての“通信簿”としての役割も果たしている」としつつ、これからの学校図書館の活用を考える際にこうした調査報告が必要と話している。

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2018年8月20日号掲載

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