㈱Yondemyは、同社が提供する読書のオンライン習い事「ヨンデミー」について、公立小学校における実証実験を6月から開始。同サービスの小学校一括導入の実証実験は初めて。
読書教育の実証実験は愛知県豊橋市立小学校2校で行う。6月から津田小学校、9月から豊小学校で全学年が対象。子供たちの読書習慣の形成を図るとともに、読解力をはじめとした学力向上のサポートを目指す。市内の小学校教材・図書の納入を行う書店「豊川堂」が協力し、学校図書館との連携をサポートする。
ヨンデミーは、AIを活用したキャラクター「ヨンデミー先生」によるサポートと、アプリ内の興味を引く仕掛けで、家庭での読書習慣づくりを行うサービス。今回の小学校における実証実験では、子供の1人1台端末に「ヨンデミー」を導入し、アプリを校内で利用して読書の時間に読む本を探したり、国語の時間に導入することを想定している。また家庭では、1人1台端末に加え、家庭のスマートフォンから同じアカウントでヨンデミーを利用できるようにし、放課後や休日でもヨンデミーを活用できる。保護者専用アプリも活用し、保護者のスマートフォンから子供の読書記録などを見ることもできる。
ヨンデミーの重要な機能として、難易度など子供一人ひとりに合わせた‘おすすめの本’の紹介が挙げられる。今回連携する豊川堂は市内の全小学校に納入した図書のデータを一元的に管理しており、各校の蔵書情報を提供してヨンデミーとのデータ連携を行うことで、各校の学校図書館にある図書の中から子供一人ひとりに合った本を選書することが可能となった。子供たちは勧められた本を学校図書館で受け取ることができるため、読みたい本をすぐに手にすることができる。津田小学校では毎日の昼の10分間読書で、豊小学校では週1回の朝の読書時間で、また両校とも家庭でもヨンデミーを活用する。
津田小学校の夏目容子教頭は「本校の子供は比較的本に親しんでいるものの、自分の好きなジャンルに偏る傾向がある。ヨンデミーのAI活用による子供一人ひとりに合わせた本の紹介が”個別最適な学び”として子供を支援し、それぞれの読書の幅が広がることに期待している」と話す。
同校では学校評価やグランドデザインで読書や本に関する活動を「心づくり」の一環とし、学力だけでなく情操教育としても価値を置くなど、読書を教育活動に位置づけ、図書館主任教諭と学校司書を中心に読書推進に力を入れている。今年度から導入したコミュニティスクールの協力により、月1回の読み聞かせボランティアも始まった。そうした中、ヨンデミーは校内だけでなく、家庭における読書もサポートできるツールとして捉えている。
なおYondemyでは今年度、小学校教員を対象にヨンデミーサービス提供の無償化も開始。同社のミッションである”日本中の子供たちへ、豊かな読書体験を届ける”を進めるうえで、「小学校との連携は不可欠」(同社広報)としている。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年6月16日号掲載