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学校図書館

あらゆるものを「つなぐ」学校図書館に~文部科学省

2020年5月26日
春の学校図書館特集
大滝一登視学官(右)と荒木正寛室長補佐

大滝一登視学官(右)と荒木正寛室長補佐

小学校における新学習指導要領がこの春全面実施となった。子供たちが「主体的」に調べたり、対話したりしながら学びを深める場としてのアグレッシブな学校図書館への転換が求められる。文部科学省初等中等教育局・大滝一登視学官と、同・総合教育政策局地域学習推進課図書館・学校図書振興室の荒木正寛室長補佐は「学びのプラットフォーム」としての学校図書館の活用と、研究事業などを積極的に発信している。また東京都PTA協議会専門委員の石井美穂氏は、保護者も多様化する中で「学校図書館が頼みの綱」であると話す。

課題は「静かな」イメージ
予算化で資料の充実を

――第5次「学校図書館図書等整備5か年計画」(以下、5か年計画)は2017年度から始まり、現在中間地点を過ぎました。学校図書館の整備や充実、活用は進んでいますか。

大滝 実態調査は5年に1度のため具体的な数字では分析できませんが、学校図書館の効果的な活用は増えてきていると感じています。新学習指導要領が小学校で始まる中、学習の中での活用が必須となり、整備の必要性が高まっています。

ただ残念なことに、そこに関心が向いていない学校もあります。

荒木 最初の5か年計画(1993年)以降、金額を増やしながら国が地方財政措置を継続しているのは、学校図書館の充実が学校教育のさまざまなものにつながっていくと考えているからです。

ただ各自治体の首長や教育委員会の考え方によって差が生じている状況も見られます。5か年計画のポイントとして、蔵書の更新や新聞の配備とともに、15校につき一人の学校司書を目安とする予算もつけていますが、まだ配置が充分でない自治体もあれば、自主財源で1校に一人配置している自治体もあります。教員と学校司書が連携し、上手く活用できている地域もある一方で、現場の教職員の頑張りが教育委員会に伝わっていないケースもあります。

大滝 首長や教育委員会、校長の皆さんに理解して頂き、地方財政措置を学校図書館につなげるためには、従来の学校図書館観を突破していかなければならないと感じています。

――従来の学校図書館観とは?
学び合う場としての学校図書館に

学び合う場としての学校図書館に

大滝 学校図書館が「静かな読書の場」のイメージがまだまだ強いことが、実は一番の課題だと考えています。単に静かであるべき場所と考えていると、授業で活用するという発想になりません。

従来から「総合的な学習の時間」で行ってきたような、活発な雰囲気の中で学びあう場が学校図書館である、という認識が広がれば、図書資料の充実にもつながるのではないでしょうか。

荒木 今後は「読書センター」の機能だけでなく「学習センター」「情報センター」としての機能の活用にもシフトしていくためにも、蔵書の充実や新聞の配備などが必須ですし、地方財政措置によって支えることができますので、着実な予算化をしてほしいところです。

調査研究事業費として新規予算に注目

――2020年度の文科省の新規予算で「学校図書館総合推進事業」3000万円がつきました。

荒木 そのうち2300万円は司書教諭養成講習会のための経費です。

そして700万円は「学校図書館の活性化に向けた調査研究事業」です。23月に公募し、4月に委託先が決定します。金額は少なめながらも自由度が高く、教育委員会や小学校から高等学校、大学の付属校も含め多くの問い合わせがあり、思った以上の反響でした。

大滝 学力のみではなく、学習意欲がどう高まるのかを研究するのも目的です。「学校司書の体系化」「学校図書館を活用することで、授業がどのように変わり、子供がどのように変わったか」「子供の探究する意欲が高まるよう、どこで上手に学校図書館を活用したのか」といったことがわかる研究成果に期待しています。

荒木 特に子供の変化についてのエビデンスがはっきり出れば、意義深いものになるでしょう。全国のモデルとなる新しい事業に取り組んで頂き、事例集などで全国に発信したい。

4月には、公共図書館と学校図書館の実践事例集を文科省のHPで公開します。こちらも管理職研修会などでぜひ活用して頂きたい。学校の教育力を高めるにはどうしたらいいのか、どの教科の授業改善にもつながるホームグラウンドとして、アグレッシブな学校図書館へ転換するための参考になるはずです。

学校図書館が豊かな教育資源をもっており、学校を変える力がある。そうした成功事例を着実に知ってもらう必要性があります。

起爆剤は新学習指導要領
人員の配置も鍵

――学校図書館の活用をより活発にするためのポイントは。

大滝 新学習指導要領こそがその起爆剤とも言えます。「主体的・対話的で深い学び」の実現のためには、図書資料を含めた様々なものをふんだんに使うことが明記されています。

新学習指導要領の根幹は、各教科等で「何を学ぶか」「どのように学ぶか」といった資質・能力を明確化したことです。「この教科等でこういう力をつける」と考えた時に、学校図書館を使う場面が必ず出てくるはずです。

例えば国語で言葉の力をつけるために、本を読み比べたり、筆者の情報を得るといった学びの中で、学校図書館の機能が必須となってきます。

授業改善は待ったなしの状況です。学校図書館は全ての学習のプラットフォームであり、カリキュラム・マネジメントの軸でもあります。

教育委員会や校長による人員の配置も鍵です。どんな司書教諭にどのように活躍してもらうのか。授業を軽減しつつ司書教諭としての職務にしっかり取り組めるようにすることが、子供の学びにつながっていきます。

――「学校図書館ガイドライン」には校長が「学校図書館長」であるとしています。

大滝 校長によって学校図書館は大きく変わります。学校図書館にあるコンテンツやツールを授業の中にしっかり生かせるよう、リーダーシップをとってもらい、そのもとで副校長や司書教諭、学校司書、教務主任などが上手く回していく。

校長が先生方の実践を柔軟に受け止め、良い雰囲気作りをしたり、背中を押したりすることで、先生方のモチベーションにつながりますし、教育力そのものになります。

さまざまなものをつなぐ「魔法のコンテンツ」

大滝 学校図書館には、図書資料や新聞、コンピュータも含めて様々なものがあるという、広がりがあります。子供が多様な媒体(コンテンツ)にアクセスする場であってほしい。

GIGAスクール構想による整備も始まりますし、一人1台のPC活用も含め、異なる種類のコンテンツ同士もつなげていける場であり、先生と子供、子供同士が関わり合える場です。学校図書館はどんなものもつなげていける「魔法のコンテンツ」なのです。限られた活用方法に限定されるのではなく、あらゆる教育活動全般のためのものであってほしい。

教室で学んだことを広げることのできる身近な場所で授業を行えば、他の時間にも子供が一人で学校図書館にアクセスするようになるでしょう。

――新学期に先生方に取り組んでほしいことは。

大滝 自校にどんな本があるのか、調べることをお勧めします。ただ眺めて歩くのではなく、問題意識をもって書架を見る。「〇〇に関する本はこれだけある」「〇〇の単元で図書資料を使いたいから、公共図書館の本も併せて活用したい」といったように、自校の学校図書館の持っている力を、色々な視点で見てほしい。

事前に学校司書の方に本の準備をお願いしておくと、授業で必要な図書資料のコーナーが出来ている。そうした授業の実現のためには、先生方自身が学校図書館にどんな本があるのか、子供の発達に合っているか、知っておく必要があります。

授業を変えていくため、教科書では足りない資料を補うために、学校図書館にもっとこういう本が欲しいという具体的な要望が、多くの先生方から出るようになってほしいと思います。

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2020年4月20日号掲載

 

  1. 従来の学校図書館観を突破しあらゆるものを「つなぐ」場に~文部科学省
  2. 子供が興味を広げる本と出会い 多様で多忙な保護者を支える~東京都小学校PTA協議会

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