発泡スチロール協会(JEPSA)は7月17日、都内で記者発表会を開催。2024年の使用済み発泡スチロール(EPS)の有効利用率は94.2%で、前年を2.2%上回り過去最高を更新したことを発表した。
資源としての有効利用率の向上を目指す
内訳は新たな製品の原材料とするマテリアル・リサイクル率が52.1%(ケミカル・リサイクル率0.8%を含む)、発電付償却などのエネルギー・リカバリー率42.1%で、未利用の単純償却、埋め立て等は5.8%。プラスチックの中でも高い有効利用率となった。
なお2024年の輸入品を含めた国内の発泡スチロール原料の出荷実績は10万6096㌧で、対前年比96.2%。
JEPSAでは、海洋プラスチックごみ問題に対応する取組として、EPSフロート漂着ごみの再資源化のため、広島県漁業協同組合連合会にEPSフロート処理施設の助成を実施。流出フロートの低減が期待される。また家電量販店の㈱コジマに2件の減容機(使用済み発泡スチロールを圧縮し容積を減らす機械)の助成を行った。今後もこうした取組を拡大していくという。
EPSは発泡剤が入った直径1㍉程度のポリスチレンの粒を蒸気で加熱し、50倍に膨らませた場合に製品の約98%が空気でできており、省資源性に優れている。ほかにも断熱性や耐久性などの特性がある。JEPSAではEPSのさらなる「資源としての有効利用率の向上」(100%)を目指し、こうした特性に加え、使った後にも有効利用により環境への負荷低減に貢献できる素材として広報するとしている。2025年度の活動スローガン『発泡スチロールの優れた特性で地球環境を守ります。』を掲げ、地球環境を守る「持続可能な社会」実現に向けて、発泡スチロールの理解の普及と、リサイクル関係者との連携を進めていく。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年8月11日号掲載